日記 #77
理系と文系について。
先日、「理系の人は一つの答えを求めがちだよね」という言説を聞いた。私は理系だけれど、どうだろう? 一つの答えを求めがちだろうか。
少し考えてみると、これはあまりに雑な言説ではないだろうか。もしかしたら文系科目(国語・社会)と理系科目(数学・理科)を対比させて、「理系科目のほうが答えが一つに決まる!」という印象をお持ちなのかもしれない。
しかし理系の私に言わせれば、国語で習う漢字の読み書きや、社会で習う年号や固有名詞のほうが、よほど「答えが一つに決まる」印象が強い。
学問の道というは用意された華々しい答え(ゴール)に向かって進むものではない。真にやるべきなのは「新たな問題を創ること」であり、その答えを求める過程というのはむしろ簡単なのだ。これは文系科目でも理系科目でも変わらないことだと思う。
個人の印象の違いや学問の道について考えると、そもそも「文系/理系」という括りで論じることが間違っていることに気づく。冒頭の言説をそれらしく書き換えるならば、「勉強が得意(かつ研究が苦手)な人は一つの答えを求めがちだよね」といった風だろうか。
中高生を強く支配する「文系/理系」の括りが、彼等の将来をひどく不自由なものにしているのではないかと思う。文系に進んだからといって数学を見限るのはあまりに早計だし、理系に進んだからといって文学や歴史を学ばないでいいと思うのはあまりに浅はかだ。
私はエンジニアなので、世の括りでいえば理系職だと思う。それでも文学や歴史が不必要だと感じたことは一切ない(むしろ必要だと感じる)し、文系出身の人達がプログラミングを前に挫折してしまうのも幾度となく見てきた。
世の中、一見して無駄に見えるものでも、案外あとで役に立ったりするものだ。
以上
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