チョコチップクッキーの祖

腹を下した。

痛みが促すまま私は便器に座る。力を込めようとするまでもなく無意識に用を足す体制に入る。肛門が小刻みに震え出し、やがて糞を吐き出し始めた。ボボボ、と定められた形がない水糞に小さい固形の糞が混じった山間地方の雪崩のような糞が少量ずつ、しかし確実に排出されている。軽快に出ていく糞に私は気分を良くし、もっともっとと下腹部に力をギュッと込めた。

排便が終わり、肛門付近を糞拭き紙で拭きあげていく。便器の中を覗くと、液状の糞と固形状の糞がバランスよく調和している。なるほどと思った。チョコチップクッキー、チョコチップアイスクリーム、等々、「チョコチップ」の祖はこの光景なのではないだろうか、と。けして普段人前で語ることは無い、しかし確実に誰もが自らの尻からひりだし、一度は目にしているだろう光景。人から語られぬ光景にこそチャンスがあるのだと悟った。私は満足して部屋に帰っていった。

今年の抱負はなるべく文章を書くことです。よろしくお願いいたします。

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