徒然エッセイ│自由でありたいと願う、心は不自由になっていく
「自由」に魅了されたのは、大学3年生の時。文学の講義で取り上げられた、安房直子さんの「鳥」と言う作品に触れてから。それはとても短く、簡単な言葉で書かれた、それでいて、自由の果てしない美しさを教えてくれるものでした。
舞台は海沿いの街。少年と少女が出会って心を通わせていく。二人はささやかだけれど、楽しい時間を一緒に過ごします。そしていつしか、遠く、開けた、海のずっと向こうまで続いている広い世界にでたいと 憧れを抱いていきました。けれど、少年の母親は彼を決して手放したくない、広