初めての言葉は「パパ」じゃなくていい
先日、妻の同僚の方が、
産後の妻をねぎらう&娘の顔を見る
ために我が家を訪ねてきたときのこと。
妻の後輩さんがこんなことを言った。
「これから『パパ』と『ママ』
どっちを先に言うか、もめますね〜」
ぼくはこの発言がピンとこず、
うまく相槌を打てなかった。
子どもが喋れるようになったとき、
「パパ」と「ママ」どちらを先に言うか。
それを競うことが子育ての微笑ましい一場面として
世間的に描写されているのは知っている。
だけど、いざ自分が親になってみると
「う〜ん、別にどっちでもいいな…」
というのが正直な感想だった。
さらにいうと、
「どこか違和感があり、なんとなくひっかかる」
のである。
ある日職場の先輩と話していて、
そのひっかかりの理由がわかった。
育休を終えて復職してからというもの、
平日は1日1時間程度しか娘と関われていない。
だけどぼくが見ていない間も
娘は着実に成長していて、
新しいことができるようになっていく。
そんな状況にあって、今のぼくは
娘の「初めてできた瞬間」に立ち会えないことが、
寂しくてしょうがないのである。
「パパ」と「ママ」どちらを先に
喋るかなんて些細なことで、
初めてなんらかの言葉を発する、
その瞬間に立ち会えないことこそが
ぼくにとって大問題だ。
そう感じていることに気づいた。
その先輩も
「平日は子どもと過ごす時間があまりに少ない」
「初めて立ったときに立ち会えなかった」
と残念そうにしていた。
娘はこの先どんどん新しいことが
できるようになるだろう。
成長してくれることそれ自体は
喜ばしい限りだ。
でもどうか、その成長の階段を
上がるのは土日にしてもらえないか。
就寝前のぐずる娘にそんなお願いをする
父なのである。