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アメリカ大手NPOのパーティで見た寄付集めの仕組み
ティーチ・フォー・アメリカ(Teach For America、TFA)というNPO(非営利団体)をご存知ですか。
TFAはアメリカ社会が抱える高所得地域と低所得地域の教育の質の差、何千人もの教師不足という大きな課題を解決しようと、1989年にウェンディ・コップが立ち上げた団体で、エリート大学の卒業生を最低2年間、アメリカ各地の教育困難地域にある公立学校に講師として赴任させるプログラムを提供しています。
新卒者の就職先としても人気で、2014年には、グーグルやアップルなど大手企業を抜いて、全米文系学生が就職したい企業ランキング1位にも選出されました。(引用元)
昨年の春に、ミッドタウンで催されたTFAの毎年恒例ディナーに参加する機会がありました。そのイベント内で気づいた寄付集めの仕組みを紹介します。
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1. 「今年の名誉スポンサー」を表彰
長年貢献している支援者の中から毎年一人を「今年の名誉スポンサー」として大々的に表彰します。昨年の名誉スポンサーはMeg Whitmanという元eBayのCEOで、彼女の名前が至る所に書かれていました。イベント中にも功績が讃えられ、彼女のスピーチの時間もありました。
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お金持ちのコミュニティでは誇らしいステータスのようで、あなたは何年前かに名誉スポンサーだったよね、との会話で盛り上がっているのが聞こえてきました。
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2. テーブル費という名の寄付
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これは他のNPOでもよく見かけますが、ディナーへの参加費も寄付になり、1テーブル10人でいくら、というような値段表で寄付額が提示されます。
TFAは大手の団体なので、テーブル費も破格で、このイベントの最高値はなんと50万ドル(1ドル130円計算で6500万円)、一番安いテーブルでも1.25万ドル(1ドル130円計算で約160万円)です。価格によって表彰されるレベルが変わり、一番高い寄付をすると「教育公平チャンピオン」、一番低いものだと「クラスルームコーチ」として呼ばれるようです。
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このイベントではTFAの現役の参加者、卒業生と支援者が参加していて、支援者は半分ぐらいいた印象です。毎年来る支援者が大半なのか、お金持ちの社交場のようになっていて、別世界でした。
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3. 「寄付の約束」がチャットのように表示される
パーティで一番印象的だったのが「寄付の約束」の時間です(英語でpledge(プレッジ)と言います)。
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会場にいる支持者がスマホからリアルタイムで「寄付の約束」を送り、そのメッセージが次々と会場のスクリーンにチャットのように表示されていきます。
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100ドル、250ドルといった手の届きそうな額もありますが、中には5000ドル、1万ドルの高額寄付も。
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もう一つ面白いなと思った仕組みは、このイベント内で集まった寄付のマッチ(Match)をする支援者がいたことです。日本ではマッチング寄付と呼ばれているようですが、例えば合計で100万ドル集まった場合、マッチをする支援者が100万ドル追加で寄付します。このマッチをする支援者がいることで、個々の支援者が寄付した倍の額が結果的に団体に寄付されることになります。
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まとめ
終始こんな世界があるんだな、と圧倒されたイベントでしたが、お金だけでは買えないステータスを寄付の仕組みにうまく取り組んでいるなという印象でした。こういった寄付は節税対策になるため、アメリカでは寄付文化が盛んです。
日本ではふるさと納税が人気ですが、NPOへの寄付も控除があり節税対策になるようです(参考記事)。色々な仕組みを通して、サステナビリティ3つの柱のひとつである社会の問題を解決しているNPOへの寄付文化が広まるといいですね。
なにかの参考になれば嬉しいです。