Horace Silver. Horace Silver And The Jazz Massagers(1954)
謎の決めポーズ?をとるホレスがよくわからないですが楽しそうです。(チェック模様のナローネクタイがおしゃれです)本作は元々10インチででていた二枚のアルバムをカップリングしたものでこの時期らしいハードバップ的な演奏が多いですがPreacherというファンキージャズナンバーも収録されてます。時はまだハードバップが出始めた頃なのにもう次のスタイルを作っていたホレスはすごいです。この後このグループはホレスシルバーのグループとバンド名を引き継いだアートブレイキーのグループに分裂しますがどちらもファンキージャズを代表するグループになりました
メンバー
ホレスシルバー:ピアノ
ケニードーハム:トランペット
ハンクモブレー:テナーサックス
アートブレイキー:ドラム
ダグワトキンス:ベース
Room 608
ノビノビとしたケニーのトランペットがかっこいい曲。ここぞというところでアートが豪快なドラミングをきめています。ハンクの豪快だけどどこかまったりとしたソロもかっこいいです。 608号室というタイトルはホレスが当時住んでいた長期滞在者向けのホテルの部屋番号らしいです。
Creepin’ in
スローテンポのブルースナンバー。ハンクのまったりとしたプレイが曲調によくあっています。
Stop Time
アップテンポの演奏がかっこいいハードバップナンバー。アドリブを回していくよくあるスタイルですがどのメンバーも競い合うように熱のこもった演奏をしていてとてもかっこいいです。
To Whom It May Concern
スウィンギーなベースラインやラテンタッチのリズムが面白いミディアムナンバー。
Hippy
アートのドラムがかっこいい軽快なナンバー。特に後半のアドリブはアートらしいドタバタとしたドラミングや豪快なドラムロールを披露しています。
The Preacher
軽快なファンキーナンバー。僕がホレスの曲で1番好きな曲です。ホレスは古いスタイルの曲をやってみたいと思ってこの曲を書きましたがブルーノート社長のアルフレッドライオンはスタイルが古すぎるといって録音に難色を示しました。しかしホレスとアートがごねたことで収録され、ヒットしたのでブルーノートの財政が救われたそうです。テーマが童謡の「線路は続くよどこまでも」に似ていますがあの曲は黒人の労働歌がもとらしいので似ているのも納得です。
Hankerin’
ハンクのソロがかっこいいミディアムナンバー。ハンクのソロ終わりからホレスのソロのはじまりの流れがかなりスムーズで聴いていて気持ちいいので好きです。
Doodlin’
親しみやすいメロディのほんのりファンキーなナンバー。
参考文献
小川隆夫著 ジャズ超名盤研究3 シンコーミュージックエンタテインメント(2020)