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Steely Dan - Pretzel Logic(1974)

 ジャズ大好きなスティーリーダンの2人ですが本作ほど直球にジャズ大好きアピールをしたアルバムはないでしょう。ただロック色も強くてジャズとウェストコーストロックの両方のファンの心を掴む一枚といえます。さわやか革命という邦題が謎って意見をよく目にしますがスティーリーダンが素直にさわやかなロックをしている曲はあったらそれは革命と言いたくなるのも分からんでもないです。

メンバー(スティーリーダン)
ドナルドフェイゲン:キーボード、ボーカル
ウォルターベッカー:ベース、ギター、ボーカル
ジェフバクスター、デニーダイアス:ギター
ジムホッダー:ドラム

ゲスト
ドンベネイ、ディーンパークス:ギター
ウィルトンフェルダー:ベース
ヴィクターフェルドマン:パーカッション、キーボード
ジムゴードン、ジェフポーカロ:ドラム
マイケルオマーティアン、デイヴィッドペイチ:キーボード
アーニーワッツ、ジェロームリチャードソン:サックス
オリーミッチェル:トランペット

Rikki Don’t Lose This Number
ホレスシルバーのSong For My Fatherを引用したイントロから始まるジャジーでミステリアスなメロディの曲。中盤のロックとジャズが混ざったダイナミックな演奏がかっこいい

Night By Night
ソウルとロックを混ぜた力強いミディアムナンバー。全ての音のエッジが鋭くシャープで聴いていてゾクゾクしてきます

Any Major Dude Will Till You
フォーキーなギターにジャジーなキーボードを混ぜたレイドバックしたバラードナンバー。イントロのギターはルーツロックバンドみたいで後にでてくるエレキはフレーズはフォーキーなもののどこかジャズっぽさもある艷やかな音色なのが印象的です

Barrytown
ボブディランのMy Back Pagesっぽいメロディのウェストコーストロックナンバー。コーラスとかギターとかモロウェストコーストな音で逆に珍しいです。

East St. Louis Toodle - Oo
スティーリーダン唯一のカバーでインストの曲。オリジナルはデュークエリントンで怪しいトランペットをワウファズギターで、トロンボーンはペダルスティールギター、クラリネットはエレピで再現していますが再現度が高いです。曲ごとの演奏メンバーは調べても見つかりませんでしたがサックスはジェローム、ピアノはヴィクターかなと思います。ただオリジナルにあった拍子木みたいなパーカッションはないのでここまでやるなら徹底的に完コピしたほうが面白かったかなとは思います。

Paker’s Band
チャーリーパーカーへの愛と関連ワードをこれでもかと詰め込んだ歌詞ですがボーカルや演奏はエネルギッシュなウェストコーストロック。このギャップが面白いですね。

Theough The Buzz
オーケストラをバックにしたスティーリーダンらしくないアレンジの曲。ただメロディやオーケストラ以外の演奏はいつものスティーリーダンなので違和感なく聴けます。

Pretzel Logic
重たいシャッフルリズムのブルースロック。ルーズで不健康そうな感じがいかにもスティーリーダンっぽくて好きです

With A Gun
カントリー風のアップテンポナンバー。

Charlie Freek
物悲しいメロディとキーボードの音色が印象的な曲。Paker’s Bandなんて曲もあるのでチャーリーパーカー絡みの曲かと思いましたが酒かクスリに溺れたホームレスのことのようです。

Monky In Your Soul
ファンキーなミディアムナンバー。ホーンセクションとかコーネルデュプリーみたいなギターソロとかNYっぽい音です。

コネクション:ジェロームの屋台
サックスでジェロームリチャードソンとアーニーワッツという新旧のセッションで引っ張りだこのミュージシャンを起用しているのが興味深いです。いままでジェロームの独壇場だったポップスにジャズのフレーバーを加えるホーンソロという仕事に73〜75年になるとアーニーの他にもトムスコットやマイケルブレッカーも参入してくるのであたかも世代交代を見ているようです。スティーリーダンもその流れにのって後のアルバムではトムやマイケルを起用するようになります。