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Arnett Cobb - Chittlin' Shout(1971)

ジャズ界にはテキサステナーという人がいます。彼らは皆テキサス出身でそのプレイはベンウェブスターやイリノイジャケー、ジーンアモンズから影響を受けており豪快でブルージー、バラードではメロディを美しく歌い上げるスタイルを得意とし、その演奏はテキサス出身でない人物にも影響を与えています。またその演奏はジャズだけにとどまらずブルース、ソウルやロックでもその演奏を聴けます。有名なテキサステナーは今回紹介するアーネットコブ以外にも以下の通り

  • デイヴィッド"ファットヘッド"ニューマン(レイチャールズのバンド)

  • ウィルトンフェルダー(クルセイダーズ)

  • キングカーティス

皆豪快の擬人化したような人ばかりです。ただし彼らもビバップをやると軽く流すようなトーンなので豪快一辺倒という訳ではありません。テキサス出身ではないもののスタンリータレンタインやヒューストンパースンも同じスタイルであり、マイケルブレッカーも彼らの影響を強く受けています。アーネットが彼らと大きく違うのが松葉杖をついていること。彼は病気と事故が原因で自力歩行ができず杖が欠かせなかったそうですがそれがどうしたと言わんばかりの熱演。芸能としてのジャズにその人生をささげた男の漢気を感じます。

メンバー
アーネットコブ:テナーサックス
1
ジミーフォード:アルトサックス
ジョーギャラード:ピアノ
ドンジョーンズ:ベース
ヘンリックマルティネス:パーカッション
マルコムピンソン:ドラム
ラルフハンプトン:ヴァイブ、クラヴィネット
2~5
上記からラルフハンプトンが抜ける
6~9
ジミーフォード:アルトサックス
ジョーギャラード:ピアノ、トロンボーン
クラレンスホロマン:ギター
ヘンリックマルティネス:パーカッション
カールロット:ドラム

Chitalin' Shout
バリバリ豪快に吹きまくるテナーが痛快な一曲。他のホーンも豪快な演奏をしていてめちゃくちゃかっこいい。

I Stand Alone
カッーとなるパーカッション(ハンバーグ師匠がもってるあれ)が印象的な曲。ファンキーなリズムにのってバリバリと吹きまくっています。早いパッセージのピアノも超絶技巧というより曲芸的なプレイでとても楽しいです。

You Stepped Out Of A Dream
ほんのりラテン調のナンバー。イントロのドラムがかっこいい。ビッグバンドによくいるデカい音でアグレッシブに叩きまくるタイプのドラムです。

Doky
ソニーロリンズのカバー。若干クールダウン(アーネットコブ基準で)したトーンでコンガ入りなのでラテン調の軽快な曲に仕上がっています。

Old Folks
ベンウェブスター由来のかすれたビブラートを効かせたトーンがムーディーなバラードナンバー。

Big T
グルーヴィーなファンクビートが強力なナンバー。

Wake Up M.F
濃いブルースフィーリングがたまらないソウルジャズナンバー。クラレンスホロマンのブルージーなギターやジョーギャラードのトロンボーンもブルースフィーリングに溢れています。

Bobby's Blues
モダンなフィーリング(当時基準)のサウンドのジャズファンクナンバー。B級ジャズファンクらしいサウンドがたまらないです。

Medusa
こちらもいなたいB級ジャズファンク。