Cannonball Adderly And Milt Jackson - Things Are Getting Better (1958)
キャノンボールもナットもファンキーが売りですがナットが言うには両親共に大学出身の教師でゲットーとは無縁。教会も躍動感あるゴスペルではなくもっと静かな聖歌を歌う宗派だったためジュークボックスや町の教会から漏れるゴスペルを聴きファンキーを身につけたとか。一方のミルトは幼い頃から聖歌隊に加わりファンキーと共に成長したと言います。そんな正反対の2人にこれまたファンキーなウィントンケリーが加わりソウルブラザー達は実の兄弟のような息のあった演奏を聴かせてくれます。
メンバー
キャノンボールアダレイ:アルトサックス
ミルトジャクソン:ヴァイブ
ウィントンケリー:ピアノ
アートブレイキー:ドラム
Blues Oriental
グルーヴィなスローナンバー。少し不健康そうなくらいブルージーなところがとても良いです。
Things Are Getting Better
キャノンボールのオリジナルでホレスシルバーのような親しみやすいファンキーなメロディを基にキャノンボールのおおらかで元気なソロが繰り広げられます。
Seves Me Right
優雅なもののダウナーな雰囲気が怪しげな魅力のあるバラードナンバー。ミルトのソロはMJQの時のような端正な演奏です。
Groovin’ High
ディジーガレスピーのカバーでビバップ的なアップテンポで軽やかな良い意味でファンキーでない一曲です。
The Sidewalks Of New York
ミルトの演奏するテーマにキャノンボールのサックスが絡みミルト、キャノンボール、ウィントンの順でアドリブへ入っていきます。ブルージーだけど端正なミルト、豪快でファンキーなキャノンボール、リラックスしたムードでスウィングするウィントンと各々の演奏する楽器や個性が表れていて面白いです。
Sounds For Sid
キャノンボールのオリジナルでイントロのけたたましいサックスが印象的です。レイジーなブルースナンバーでウィントンの得意とするタイプだと思います。
Just One Of Those Things
ラテン調のアップナンバーでキャノンボール、ミルト、ウィントンの3人による軽快なアドリブやところどころでキメのフレーズを入れるアートブレイキーのドラム、裏方に徹してウォーキングベースを弾くパーシーヒース全員がこのアルバムで一二を争うほど息のあった演奏をしておりかっこいいです。
Sarves Me Right
CD化で追加されたボーナストラックでアルバムバージョンほどダウナーさはないですがその代わり艶やかなバラードプレイが聴けるのでどちらが良いかは好みが分かれそうです。
The Sidewalks Of New York
こちらもボーナストラックでアルバムバージョンとそこまで変わらないもののこちらの方がベースがグルーヴィな印象です。