Antônio Carlos Jobin. Wave(1967)
当初はブラジルのみで活躍していたアントニオカルロスジョビンを世界的に有名にしたの当時ヴァーブでプロデューサーとして勤めていたクリードテイラー。彼がCTIを設立するとジョビンもそこから三枚のアルバムをリリースします。アレンジはジョビンの私生活でも仲の良かった友人でありテイラーの右腕とも言える存在のクラウスオガーマン。リズムには複数のブラジル系のドラマーやパーカッション奏者とロンカーターを起用しイージーでありながらも聞き応えのありアメリカのポップスでありながらもブラジルの音やジャズの要素も充分に感じられる一枚になっています。
メンバー
アントニオカルロスジョビン:ピアノ、ギター、ハープシコード
アービーグリーン、ジミークリーブランド:トロンボーン
ジェロームリチャードソン:フルート、ピッコロ
ロンカーター:ベース
ドンウンロマン、クラウジオスローン:ドラム
ボビーローゼンバーグ:パーカッション
ドンウンロマンはセルジオメンデスのグループやウェザーリポートでの活躍が有名ですがクリードテイラー、クラウスオガーマンの両名から重宝されたミュージシャンでヴァーブやCTIはもちろんフランクシナトラのボサノヴァアルバムなどにも参加しています。クラウヂオスローンはアントニオと同じくテイラーのもとで有名になったブラジル出身のオルガン奏者ワルターワンダレイのバンドメンバーだった人でワルターのバンドを辞めてジョビンのバンドに移ってきた人です。
Wave
数あるジョビンの曲の中でも特に好きな一曲です。柔らかく繊細なホーンアレンジやジョビンらしいピアノが心地よい一曲です。
The Red Blouse
ロンカーターのベースとパーカッシブなジョビンのピアノがかっこいい一曲。
Look to the sky
柔らかいトロンボーンが印象的な曲。ボサノヴァにトロンボーンというのはクラウスがよくやるアレンジですがよくありますが柔らかく低い音はマッチしています。他にもセルジオメンデスもブラジル時代にはトロンボーンをバンドを入れていてこちら
Batidinha
後半になるにつれて壮大になっていくストリングスが印象的な一曲。オガーマンによるジョビンの編曲だとストリングスを楽器の一つのように扱っているのでここまで大きく使うには珍しいです。
Triste
ピアノとホーンがほどよくジャジーかつラウンジーな一曲。
Mojave
アントニオがアメリカにあるモハーベ砂漠を見た時の印象をもとに書いた曲。力強いタッチのピアノやストリングスが印象的です。
Diálogo
トロンボーンの音色やさざなみのようなストリングスが心地よい一曲。トロンボーンとベースフルートの掛け合いが印象的です。
Lemento
金属系のドラムセットやパーカッションが印象的な一曲。ジョビンのポルトガル語によるボーカル入りです。
Antigua
ハープシコードの音色が印象的な曲。ジョビンがハープシコードを弾いたのはこれが初めてだそうです。
Captain Bacrdi
力強いリズムがかっこいいアップテンポの曲。クイーカまで飛び出してきてとても賑やかです。