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Martin Denny Exotic Sounds
イージーリスニングの中でも南国やアジア等海外の音を真似たものをエキゾチックサウンズやエキゾチカといいます。ここら辺は本物の現地の音ではなく偏見で作られた勘違いアジアや勘違いアフリカですが、それ故にラウンジ―でキッチュなオリジナルの世界観になっています。そのなかでもマーティンデ二ーはストリングスをあまり使わず、ほとんどはスモールコンボなのが特徴です。細野晴臣さんやサンラ、意外な所だと星野源さんもこういったサウンドから影響を受けていることを公言、あるいはカバーしています。本作は88年に日本で作られたベスト盤。手軽ながらもディープな世界です。
Introduction
ライブ盤より抜粋したMC
Quiet Village
レスバクスター作のエキゾチックのスタンダードともいえる一曲。鳥の鳴き声のSEやリズムは怪しげですがピアノやヴァイブはラウンジーなジャズ風でジャズとして聴いても楽しい一曲です。
Jungle Flower
こちらもレスバクスター作。ジョージシアリングからギターを抜いて音をイージーにしたようなクールなサウンドです。
Japanese Farewell Song(Sayonara)
日本の別れの歌(さよなら)というタイトルですがどちらかというと中国風のサウンド。近年ではこういった勘違い海外文化はなにかと炎上しがちですが僕は嫌いじゃないです。勘違いもここまでいけばオリジナルです。
Forbidden Island
デ二―のオリジナル。ここまではヴァイブでアーサーライマンが参加。
Mau Mau
南国風のサウンドでアーサーに代わりに参加したジュリアスウェッチャーが書いた曲です。ブーバンという竹製の打楽器のソロが印象的です。彼は後にバハマリンババンドを結成しA&Mからデビュー。ティファナブラスの二番せんじ的なグループでニックデカロがアレンジャーを努めたりもしています
Bangkok Cockflight
バンコクとありますが音の方は南国風サウンドとほとんど同じです。
American In Bali
ガムラン風の各種打楽器が印象的なサウンド。ただドラムはジャズからの影響大です。
Hypnotique
マーティンデ二ーにしてはストリングスを使った曲。ただし甘いアレンジにせず怪しげなアレンジなので違和感は少ないです。
Jungle Madness
こちらも怪しいアレンジの曲。よく使われる鳥の鳴き声はどうやって出していたのか気になります。情報がないのでなんとも言えないですが鳥の鳴き声集みたいなテープから引っ張ってきたのか人が声真似しているかのどちらかかなと思います。
Ma'chumba
アフリカがテーマのアルバムより。カリンバのような音やインチキくさいコーラスはアフリカ感はないですがキッチュな感じは面白いです。
Bamboo Lullaby
タイトル通り穏やかなメロディが涼しい一曲。最近のヒーリングミュージックにも通ずるものを感じます。
Manila
哀愁あるクールなラテンジャズといった雰囲気の一曲。
Happy Talk
映画「南太平洋」より。ピアノがラウンジーなジャズのような雰囲気でとても良いです。
Sake Rock
アジア風のフレーズの一曲。ラテンジャズ+アジアなサウンドでマリンバや琴の音が印象的です
Fire Cracker
YMOのカバーが有名な曲ですがSake Rockのテンポを速めただけだったりします。でもどちらもかっこいいです。
Paradise Found
クールジャズ風の落ち着いた一曲。
Cross Current
冒頭にホラ貝でできた楽器の音をあしらった一曲。クールジャズ風のサウンドでピアノの音が印象的です
Stardust
ジャズでも有名なホーギーカーマイケル作のスタンダードナンバー。変なアレンジはせずクールなサウンドでメロディの美しさを活かしています。
Over The Rainbow
こちらも前曲と同様有名なスタンダードナンバー。アレンジも前曲と同様です。
Strange Music
ドリーミーなアレンジが美しい一曲。イージーリスニングは甘ったるい感じがして敬遠していましたがスモールコンボだとほどよい甘さです
Moonlight And Shadows
フルート入りのナンバー。フルートのソフトな音がドリーミーなサウンドによく合っています。
Blue paradise
ストリングス入りのナンバー。あまり彼らしさを感じないです。
Blac Oachid
カルジェイダーの曲。初期の頃のいかがわしさが抜けきっていますが小粋な演奏でこれはこれで違った魅力があります。
On A Clear Day
スタンダードナンバーでクールジャズ風の演奏です。
Sukiyaki
上を向いて歩こうのカバー。久々に勘違いエキゾチシズム満点の演奏で好きです。ジャズ以外の古い日本の曲だとこの曲が一番好きなので余計気に入っています。
Indrani
時代はサイケ、カウンターカルチャーの時代ということでシタール入りで東洋風のフルート入り。ただピアノのスタイルが同じなのが安心します。
Hawaiian Rhapsody
仰々しいアレンジの一曲。他の曲と比べるとアレンジやピアノがやや大味です
Quiet Village
69年。宇宙とシンセサイザーの時代に代表曲をシンセでカバーします。初期のアナログシンセらしい大味の機械音がとてもいい味を出しています。これだけはオリジナルのアルバムを手に入れて聞いてみたいです。