The Three Sounds. Introducing The 3 Sounds (1959)
コテコテにファンキーなピアノトリオと言うとラムゼイルイストリオやレスマッキャントリオ、そして今日紹介するスリーサウンズが挙げられると思います。スリーサウンズはインディアナ州出身でオハイオで活躍した後ニューヨークに拠点を移しブルーノートと契約します。固定トリオでリハーサルに時間を使わなかった上にジュークボックスで受けたためブルーノートの財政を支えることに貢献します。お堅いファンにはいないことにされている彼らですがファンキーなだけでなくラテンビートを取り入れた演奏はジャズを聴き始めた人にもおすすめです。
メンバー
ジーンハリス:ピアノ、チェレスタ
アンドリューシンプキンス:ベース
ビルダウディ:ドラム
Tendely
ジャズのスタンダードナンバーをラテンタッチのリズムとファンキーながらも軽やかで親しみやすいタッチのピアノで演奏しています。ジュークボックスでよくかけられたのも納得の聴いているだけで楽しくなってくる一曲です。
Willow Weep For Me
ソウルフルだけど繊細なタッチのピアノが心地よいバラードナンバー。力強いけどピアノの繊細なタッチを潰していないドラムのタッチもまたいいです。
Both Sides
跳ねるようなドラムとピアノ、グルーヴィなベースがかっこいいソウルジャズナンバー。
Blue Bells
スローテンポのブルースナンバー。鈴のような音はチェレスタという楽器で片手でピアノ、もう片手でチェレスタという器用な演奏をしています。
It’s Nice
ソウルフルなミディアムナンバー。左右に揺れるドラムやグルーヴィなベースがかっこいいです。こういうポップでソウルフルな曲を聴くとこれ弾けたら楽しいんだろうなと思います。
Goin’ Home
テーマを弾くチェレスタの鈴のような響きが綺麗な曲。ジーンはソウルフルなタッチが得意なのにクラシックで使われる綺麗な音色の楽器を使うのが面白いです。ベースラインもグルーヴィでソウルフルです。
Would’n You
ラテンタッチのビートが楽しい曲。ずっとラテンをするのではなくアドリブはストレートなジャズなのが面白いです。特に熱気のこもった長めのドラムソロがかっこいいです
O Sole Mio
ジャズでは珍しいイタリアの曲のカバーです。個人的には黒澤明監督の「天国と地獄」の緊張感あるシーンでイージーリスニングにアレンジされたこの曲がかかっていたのが印象的ですがスリーサウンズはグルーヴィなベースラインとラテンビートに乗せてご機嫌なタッチにアレンジしています。これがこのアルバムで1番おすすめです。
参考文献
小川隆夫著 ジャズ超名盤研究3 シンコーミュージックエンタテインメント(2020)