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Airto - Free (1972)

RTFにも参加したパーカッション奏者によるソロアルバムでRTFの全メンバーにCTIオールスターとキースジャレットが加わって制作されています。基本的にはRTFのあの音ですが、よりブラジルの土の匂いやジャズ的なアドリブが多いのが特徴です。日本盤ではRTF人気に乗っかるため名義がアイアート&チックコリアになっているうえに邦題もリターントゥフォーエバーとなっています。乗っかりが分かりやす過ぎます笑

メンバー
アイアートモレイラ:ドラム、パーカッション、ウッドフルート
チックコリア:エレピ(1、5)
スタンクラーク:エレベ
ジョーファレル:フルート、サックス
フローラプリム:ボーカル
ロンカーター:ウッドベース
キースジャレット:ピアノ(2、4)
ジョージベンソンギター(4)
フローラプリム:ボーカル

Return To Forever
チックコリア名義の同名アルバムより。ただビリビリと震えるエレピやウッドベースによって重心は低くされ、そこにアイアートのパーカッションとコーラスが乗ることで土の匂いが加わり各種楽器のアドリブが長尺かつ複雑になっているので別物という印象を受けます。後半はパーカッション乱れ打ちとブラスセクションの参加でかなり過激な展開です。

Flora’s Song
アイアートのビリンバウとジェイバーリナーのギターがエキゾチックな一曲。それをバックにしたジョーファレルのソロやホーンセクションもかなりエキゾチックなフレーズです。RTFに乗っかったタイトルに引っかかってこれを聴いてサウンドの違いに驚いた人は多そうです。

Free
フルート、ボーカル、ベース、パーカッションという変わった編成による完全即興演奏。モーダルな響きで同時期のスピリチュアルジャズに近いサウンドでありながらもブラジルの田舎でお祭りで歌われていそうな素朴なところもあります。

Lucky Southern
キースジャレットによるフォークミュージックにも通ずる軽快な曲。

Creek
ブラジルでも今までのジャングルの湿気と土の匂いではなくある程度洗練されたカラッとしたサウンドのナンバー。ジョーファレルの鮮やかなソロが印象的です。

コネクションAirtoの読み方
Return To Foreverのライナーで評論家の油井正一さんはアイアートなのかアイルトなのかという問いをクルセイダーズと共に来日した際に本人にきいています。完結にまとめると私の名前はアイアートだが同じ文字でアイルトと読むのが正しい人もいる。会見で目Eye 耳Ear つま先Touを順に指しながら自己紹介するのを海外の人向けのジョークだと捉えている人が違うと書かれています。クルセーダーズと共演したことが気になりすぎて内容が入ってこないです

本作と同じRTFメンバーによる課外活動的な一枚