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Eddie Jefferson - Letter From Home(1962)

ジャズの歌唱のうち楽器奏者のアドリブに歌詞やスキャットを載せて歌うことをヴォーカリーズといいます。有名どころではLH&R(ランバート、ヘンドリックス&ロス)やポインターシスターズ(初期)、マンハッタントランスファー、アルジャロウなどがこのスタイルで歌っています。その草分けとなったのがLH&Rの一人ジョンヘンドリックスと今回紹介するエディジェファソンです。本作はエディの記念すべき初アルバムでリバーサイドからのリリースです。プロデューサーであったオリンキープニュースはこのシンガーに期待していたようでリバーサイドから選りすぐったミュージシャンをアーニーウィルキンス指揮させたうえに自身も歌詞を書いています。演奏は上手いものの出しゃばりすぎず、エディは歌は上手いものの声質のせいかどこかヘタウマに聞こえて超絶技巧も親しみが持てるのですごさの割にリラックスして聞けます。

どうもジャケは二枚あるようです。こちらのほうが迫力があってかっこいいです。

メンバー
エディジェファソン:ボーカル
ジョーザヴィヌル、ウィントンケリー、ジュニアマンス:ピアノ
ジェームズムーディ:アルトサックス、フルート
アーサークラーク:バリトンサックス
ジョニーグリフィン:テナーサックス
ジミークリーブランド:トロンボーン
アーニーロイヤル、クラークテリー、ジョーニューマン:トランペット
バリーガルブレイス:ギター
サムジョーンズ:ベース
ルイスヘイズ、オシージョンソン:ドラム
アーニーウィルキンス:アレンジ、指揮

Letter From Home
軽快でほんのりファンキーな演奏がかっこいいミディアムナンバー。ラフに歌いこなすエディもまたいいです。

Take The "A" Train
上手いのになぜか普通のおっさんが歌っているようないい意味での力が抜けた歌唱が印象的な曲。個人的には一番好きな曲です。

Billie's Bounce(#4)
早口や語尾を伸ばすなどあえてテンポを崩すような歌い方が印象的な曲。やっぱりこういったテクニカルなことを器用にしてしまうあたり本当に歌が上手い人だなと感じます。

I Could The Waterfront(Back In Town)
しみじみとしたバラードナンバー。イントロ部分のアルトが印象的です。

Soft And Furry
ファンキーなブルースナンバー。

The Night In Tunisia
ラテンジャズの代表曲ですがラテンフィーリングを残しつつもファンキーなサウンドに作り変えています。サビ部の伸びやかな歌い方もそのあとのラップばりにリズミカルにまくしたてる歌いかたも印象的です。

Things Are Getting Better
キャノンボールアダレイの曲。おおらかながらもファンキーな歌は聴いていて気分が明るくなりますしキャノンボール風のアルトソロとナットとは違うけど味のあるトランペットソロもとてもいいです。

Keep Walkin'
軽快なブルースナンバー。ギターが目立たないながらもいいアクセントになっています。

Body And Soul(I Feel So Good)
エディの純朴な歌が印象的な一曲。途中おもちゃの兵隊のフレーズがでてきます。

Parker's Mood
ブルージーなスローナンバー。

Billie's Bounce(#3)
Keep Walkin'
ボーナストラック。正規テイクと比べると歌にそこまで技巧を感じません。もっと上手く歌える。もうワンテイク!というエディの声が聞こえてきます。