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Quincy Jones - Gula Matari(1970)

60s後半からジャズでは(一部はそれ以外でも)アフリカ回帰、ソウルジャズはよりR&Bに接近し、電気楽器の導入が進んでいきました。クインシーはこういった流行を自身が得意とするビッグバンドに取り入れていきました。前作Walking In The Spaceや次作Smackwater Jackと比べて曲数も少なく権利問題かCD再発もないため地味な本作ですがその分濃いサウンドが聴ける一枚です。

メンバー
ペッパーアダムス:バリトンサックス
ダニーバンク:バス、バリトンサックス
ヒューバードロウズ:フルート
ジェロームリチャードソン:ソプラノサックス
フレディハバード、アルグレイ、ベニーパウエル、トニースタッド:トランペット
エリックゲイル:ギター
トゥーツシールマンス:ギター、ハーモニカ、口笛
ハービーハンコック、ボブジェイムズ、ボビースコット:キーボード
グラディテイト:ドラム
ドンエリオット:パーカッション、マリンバ
ジミージョンソン、ウォーレンスミス:パーカッション
レイブラウン、ロンカーター(2)、リチャードデイヴィス(2)、メイジャーホリー:ベース
ミルトジャクソン:ヴァイブ
ヴァレリーシンプソン:ボーカル
クインシージョーンズ:編曲、指揮
キャノンボールアダレイ:ライナーノーツ

Bridge Over Troubled Water
サイモン&ガーファンクルのカバー。ソウルフルなキーボードや一発でエリックゲイルだと分かるギターが印象的な演奏をバックにヴァレリーシンプソンとコーラス隊がソウルフルなボーカルを聴かせてくれます。

Gula Matari
幻想的なボーカルやフルート、ブルージーなヴァイブ、2人のベーシストによるグルーヴィなベース、シャープなホーンセクション、フリーキーなジェロームのサックスソロと聴きどころの多く13分があっという間の一曲です。

Walkin’
多くのジャズミュージシャンが演奏している曲ですがクインシーのアルバムに収録されたのはこれが二度目です。ミルトのヴァイブとハービーのエレピが印象的なイントロからソフトなホーン、クインシーらしいシャープなホーンセクション、ヒューバードのソロが続く中盤、スキャットとベースのユニゾンから始まるジェロームのソロへと続きテーマ演奏で終わる終盤とクインシーらしい編曲を詰め込んだ一曲です。

Humin’
ナットアダレイの曲。兄さん曰くナットがマッスルショールズを訪れた後に書いたそうです。ホーンを高音と低音に分けて別の演奏をさせたり、スキャットとアルコのユニゾンからのギターと口笛のユニゾンとなかなか攻めたアレンジをしています。ただリズムはグルーヴィなベースにファットバックしたドラムがかっこいいオーソドックスなジャズファンクです。