Herbie Mann - Hold On, I’m Comin’(1973)
60年代に入り時代の流れの変化を感じたハービーはロイエアーズやラリーコルエル、ソニーシャーロックといった新しいスタイルのミュージシャンと共に(ソニーは新しすぎたといった方がいいかもしれません)ジャズロックやソウルジャズに接近。その延長でレゲエやUKロック、ディスコにも手を伸ばしていきますがやっぱりトリッキーなロックや泥臭いサザンソウル色の強いこの頃が1番好きです。本作は1972年のニューヨークでのライブとモントルージャズフェスティバルでのライブを収録したものです。直接内容には関係ありませんがこの頃のハービーマンのレコードはなぜか変形ジャケットが多く裂けや破れ、角のスレが目立つ状態が悪いものが多いのが難点です。
メンバー
ハービーマン:フルート
デイヴィッドニューマン:テナーサックス、フルート
ソニーシャーロック:ギター
パットレビロ:エレピ
アンディミュソン:ベース
レジーファーガソン:ドラム
デイヴィッドニューマンはファットヘッドのニックネームでも知られるレイチャールズのバンド出身のサックス奏者。ロイエアーズの代わりに入団したらしいですがヴァイブとサックスという全く違う楽器を扱うミュージシャンを入れたの気になります。
(Gimme some of that good old) Soul beat momma
タイトル通りのアグレッシブなソウルジャズ。ハービーのあっさりとしたフルートよりもデヴィッドニューマンはサックスとフルートの両方でソロを吹いていますが彼のフルートの方がリズムとマッチしていて印象的です。ソニーはソロでノイズ発生機ではなくギターを弾いています。
Never can say goodbye
ジャクソン5のカバーでこう言ったリズムよりメロディ重視の曲ではソフトでメロディアスなハービーの方が映えます。デヴィッドも歌うようなサックスを披露。結局2人とも違った良さがあってどちらもいいんです笑
Respect yourself
ステイプルシンガーズによる最新(当時)ヒット曲のカバー。あまり有名ではないリズム隊ですが腕前は平均以上なので無名なのが少し惜しいです。グルーヴィなリズム隊は何人(何組)いたって困らないのだから再評価されてほしいです。そしてソウルフルで泥臭いテナーサックスもまたかっこいいです。この曲のみスイスのモントルーでの演奏です
Mepmphis underguround
自分のヒット曲のカバー。オリジナルがロック色の強い曲だったのに対してここではグルーヴが強調されていて個人的にはこっちのほうが好みです。ソニーは初めは音色は変なものの普通のソロを弾いていると思っていたら雲行きが怪しくなり結局ヒステリックなノイズ発生機と化しています。こういったノイジーなギターは好きじゃないですがここまでぶっ飛んでいると一周回って好きです笑。ソニーは一時期怪獣の着ぐるみのような衣装でステージに立っていたらしいですが写真が見つかりません。そんな変わった衣装なら一枚くらい写真が残っていても良さそうですが…
Hold on, I’m comin’
最後はサム&デイブのカバー。疾走感のあるグルーヴに乗せてノリノリでフルートを吹きまくっています。フルートって楽器の構造の違いからなのかサックスやトランペットよりもスピード感の表現がうまいように思います。