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Booker T. &The MG’s. McLemore Avenue(1970)

原曲とカバーのどちらがいいか(好きか)というのはよく見聞きする話題ですがどちらもいいミュージシャンの演奏だった場合違う良さを持つことが多いです。(特にジャンルが異なる場合)本作はビートルズのアビーロードをジャケット、タイトル含め全てカバーしています。B面にあったメドレーは解体されたうえで組み替えられ(演奏されていない曲もあり)よりスケールの大きいものになりました。演奏もロックのフィーリングを残しつつアーシーでブルージーでファンキーなソウルとジャズを融合したものでありながらいい意味でのチープさがありクセになります。

マクレモアアベニューを渡るメンバー。右からドナルドダックダン(b)、ブッカーTジョーンズ(b、key、g)、スティーブクロッパー(g)、アルジャクソンjr(ds)。左のAXの看板がついているのがスタックスの本社兼スタジオ。
裏ジャケはソニークラークのクールストラッティンを下品にした感じで好きです。

Medly

  • Golden slumber
    ブッカーTらしいオルガンが印象的な曲。

  • Carry that wait
    ほんのりジャマイカの匂いのするサザンソウルナンバー。ほどよくスウィングするオルガンが印象的です。

  • The end
    アルジャクソンのタイトなドラムがかっこいいロックンロールナンバー。誰のかはわかりませんがボーカル入りです。同じビートルズのCome togeherやBack in USSRっぽいフレーズもあります。後半のスティーブのブルージーなギターも印象的です。

  • Here comes the sun
    シンプルで軽いながらもグルーヴィなリズム隊やサザンソウルらしくないシンセ、シンプルながらもジャジーなピアノ、ジミースミス風のオルガンなど効果的に弾き分けられたキーボードがかっこいい一曲。

  • Come together
    重厚なオルガンが印象的です。後半のスティーブのギターはブルースの真似事ではなくブルースだけを演奏してきたミュージシャンのそれに匹敵するものです。。比較的原曲に近いアレンジです。

Something
ジャジーなアレンジの一曲。特にブッカーTのオルガンやウッドベースのようなドナルドダックダンのベースのグルーヴはジャズのそれです。スティーブのギターは素晴らしく歌手のバックで弾いているときには聴くことのできないダイナミックな演奏です。

Medly

  • Because
    オリジナルがミステリアスな美しさがあったのに対してこちらは不気味な演奏です。BBキングのようなギターソロが印象的です。

  • You never give me your money
    イントロのハイハットを使った16ビートのドラムが印象的なブッカーT &The MG’s流のファンクナンバー。後半はジャジーなアドリブです。

  • Mean Mr.Mustard
    ラテンの匂いのするリズムカルなソウルナンバー。

  • Polythene pan
    スティーブの軽快なリズムギターがかっこいいロックンロールナンバー。後半のブルージーなソロもかっこいいです。

  • She came through the bathroom window
    ゴリゴリとなるベースがかっこいい軽快なファンクロックナンバー。

  • I want you
    原曲に近いアレンジのヘヴィーなファンクロックナンバー。

ここからはボーナストラックです。他のアルバムからビートルズのカバーを抜粋してきているだけなのでうまみはあまりありません。

You can’t do that
ジャマイカ風のリズムがかっこいい曲。

Day tripper
気怠いタッチの演奏が印象的な曲。最初の二曲はソウルマンに収録されてます

Michelle
リズムがかっこいい一曲。ダン=ジャクソンのリズムセクションにハズレなしです。 

Elenaor rigby
地鳴りのようなリズム隊とワウを使ったオルガンがかっこいいファンクロックナンバー。

Lady Madonna
グリーンオニオンのリズムを使ったカバー。1番原曲から離れたアレンジです。

You can’t do that
オルタネイトテイク。曲が終わると数十秒無音が続き当時の本作のCMが流れます。