Lou Donaldson - Sentimental Journey(1994)
時代は飛んで90年代。時はアシッドジャズにジャズヒップホップ、レアグルーヴとノリのいいジャズがリアルタイム以上に評価と人気を得ていた時代。ルードナルドソンもやってくれました。しかも相棒がドクターロニースミスです!60年代のソウルジャズのような緩くブルージーな演奏をしているので歳とってからのアルバムだと敬遠するのは勿体無い一枚です。
ルードナルドソン:アルトサックス
ドクターロニースミス: ハモンドオルガン
ピーターバーンスタイン:ギター
田井中福司:ドラム
レイマンティラ:パーカッション(1、5、8)
ドラマーの田井中さんは渡辺香津美さんやディジーガレスピー、ジョージベンソン、ドクターロニースミスと共演歴がありルードナルドソンのグループにも長く在籍したドラマーです。ジャズは他ジャンルより海外で活動している日本人が多い印象です。
What Now My Love
あの呑気なアルトとハモンドオルガンの音だけでも嬉しいというのにご機嫌なソウルジャズになっていて最高です。ギタリストは僕の知らない人ですがあの時代の音、フレーズを鳴らすのがとても上手いです。
Sentimental Journey
ゆったりとしたスウィングが印象的な一曲。ルーの鼻歌のようなアドリブもドクターのレイドバックから段々としつこくなっていくアドリブも最高です。こういった力任せなスタイルでないことが衰えなく長いこと活動できた理由だと思います。
What’ll Tell My Heart
ルーの美しくも哀愁いっぱいのサックスが好きですがそれを堪能できる一曲です。ウェスのようなギターにゴスペル風のオルガンソロと最高の7分です
Messin’ Around With C.P
アップテンポのビバップナンバー。ドカドカしたドラミングにアップテンポのサックス。やっぱりウェスみたいなギター、珍しいビバップをやるロニーとかっこいいアドリブが続いていきます。
My Little Suede Shoes
まったりとしたラテンリズムが楽しいソウルジャズ。オリジナルはチャーリーパーカーでグラントグリーンもカバーしています。
Midnight Creeper
まったりとしたグルーヴがかっこいいソウルフルなナンバー。ギタリストやオルガン奏者がやるようなしつこく音を繰り返す演奏をルーがサックスでやっているのが面白いです。
Danny Boy
美しいバラードナンバー。軽く鼻歌のようでありながらどこか深みのあるサックスの音が最高です。後ろの方になるとロニーが派手にオルガンを弾き始めてそれに釣られたのか対抗したいのかルーも熱くなってくるのが微笑ましいです。
Peck Time
軽やかなコンガを聞かせたリズムが楽しいファンキーな一曲。ウェスっぽいギターばかりだったのでウェス直系かと思いましたがここではグラントグリーンや初期のジョージベンソンのようなもっとパキッとした音色かつゴスペルっぽい演奏をしています。多分ウェスが好きだけど他のギタリストのこともコピーや研究していたのでしょう。