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Toots Thielmans & Elis Regina. Aquarela Do Brasil(1969)

 ジャズのいいところはたくさんありますがどんな楽器でもできること、どんなジャンルともミックスできることがあると思います。今日紹介する本作はそんな一枚です。
 1人目の主役トゥーツシールマンスはベルギー出身。(なんと貴族の家の出身です)初めはギターを演奏するものの他の人にはないものをと思ったのか口笛(時にはギターとユニゾンする時もあります)やハーモニカも演奏するようになります。真偽不明ですがジョンレノンがビートルズ初期リッケンバッカーのギターにハーモニカというスタイルだったのはトゥーツのライブを見て真似しようと思ったからという話もあります。ビルエヴァンスと共演したりクインシージョーンズのバンドに長らくいたりと腕はお墨付き。日本でもハーモニカおじさんとして親しまれ日本人との共演盤もいくつかあります。
 2人目のエリスレジーナはブラジル出身の歌手。ブラジル音楽にはあまり詳しくないので詳しいことは分かりませんがとても歌が上手く人気の歌手のようです。
本作はエリスのヨーロッパツアーの途中トゥーツがいたスウェーデンで録音されました。しかし時間が足りずLPにするだけの曲が出来なかったのでエリスがブラジルで録音したものとトゥーツのインスト曲も追加収録されています。

メンバー
トゥーツシールマンス:ギター、口笛、ハーモニカ
エリスレジーナ:ボーカル
ウィルソンダスネベス:ドラム
ロベルトメネスカル:ギター
エルメスコンテシーニ:パーカッション
アントニオアドリフォ:ピアノ

Wave
ボサノヴァの有名曲の一つ。エリスの明るく楽しそうなボーカルとトゥーツのハーモニカが印象的です。

Aquarela Do Brasil
ゆったりとしたボサノヴァナンバー。トゥーツの演奏ははっきりとは聴こえませんがエリスのボーカルが最高です

Visão
トゥーツのハーモニカがメインの曲。ストリングスがオーヴァーダブされていたり、ピアノソロがあったりジャズっぽいスタイルです。

Corrida De Jangada
アップテンポのサンバとボサノヴァの中間っぽい曲。

Wilsamba
トゥーツが口笛とハーモニカの両方を吹いている曲。どちらもホッとする音色です。

Voce
エリスが時々歌いながらちょっと笑っているのが印象的です。トゥーツは口笛だけでなくギターも弾いています。

Barquinho
ジャジーなしっとりとしたバラードナンバー。エリスの歌のうまさが詰まった一曲です。

O Sonho
エリスのソロナンバー。アップテンポの演奏が印象的です。

Five For Elis
トゥーツのソロ。得意の口笛とギターのユニゾンを披露しています。トゥーツというとハーモニカや口笛に注目が集まりがちですがギターも結構上手いと思います。

Canto De Ossanha
スローテンポのイントロから段々とテンポが上がってきます。そんな演奏に併せて軽々と歌うエリスが印象的です。

Honeysukle Rose
鼻歌交じりでギターを弾いています。時々掛け声をあげたりしていてとても楽しそうです。

A volta
落ち着いたバラードナンバー。哀愁のあるボーカルとハーモニカの音色が印象的です。