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Wilton Felder - Inherit The Wind (1980)
本作はクルセイダーズのサックス・ベース奏者のウィルトンフェルダーの3rdアルバムです。クルセイダーズのラプソディ&ブルースやクルセ初のプロデュース作品であるランディクロフォードのNow We May Begin(未紹介ですがいいアルバムなのでいつか紹介します)の制作後に作られておりサウンド的には似通った部分もありますが、ボビーウォマックをボーカルに迎えて久々に汗臭くディープなサウンドになっています。
メンバー
ウィルトンフェルダー:サックス、ベース(4)
ジョーサンプル:キーボード、シンセ
ディーンパークス、アーサーアダムズ、ローランドバウティスタ:ギター
エイブラボリエル:ベース
レオンチャンスラー、リッキーロウソン:ドラム
ポウリーニョダコスタ:パーカッション
ボビーウォマック(1,2)、ウィルトンフェルダーjr(4):リードボーカル
メアリークレイトン、ジムギルストラップ、オーギージョンソン:コーラス
この頃のクルセイダーズ人脈全員参加ですがドラムのスティクスフーパ―はプロデュースのみで演奏はしていません。この後脱退することを考えると仲が悪くなっていたのかもしれません。ボーカルのウィルトンフェルダーjrはその名から分かるようにウィルトンの子供でオーギージョンソンは元クルセのウェインヘンダーソンがプロデュースしたコーラスグループのサイドエフェクトのリードボーカルです。詳しくは分からないですが脱退後もウェインと他メンバーとの仲は悪く無かったのかもしれません。
Inherit The Wind
初期ブラコン風のリズムですがボビーの声とウィルトンのサックスはファンキーかつ漢気が合ってかっこいいです。
Someday We'll All Be Free
このアルバム制作の前年に亡くなったダニーハサウェイの曲。ゴスペルタッチのしみじみとしたバラードナンバーです。このアルバム一の名演です。ライナーでも間違って紹介されていますが人種差別ではなくダニーと共作したエドワードハワードが精神的に不安定だった彼を励ますために書いた曲です。
Until The Morning Comes
サンバ調のフュージョンナンバー。熱くブロウするサックスがかっこいいです。本場ブラジル出身のパウリーニョのパーカッションもとてもよいスパイスになっています。
Insight
ウ~アッハ~というディスコらしいバカバカしいコーラス入りの一曲。ワウをかませたサックスソロは安心します。リードボーカルはウィルトンの息子。楽器奏者だったら片手間の割に上手いといわれる感じです。
LALight
この頃のクルセらしいファンキーさとメロウさがいい具合に混じったどこか哀愁あるフュージョンナンバー。
I've Got A Secret I'm Gonna Tell
これもクルセらしい一曲。この頃のクルセは夜風を浴びながら自転車に乗っている(あるいは窓を開けてドライブ)しているようなリッチなサウンドが最高です