Herbie Hancock. Head Hunters (1973)
ハービーハンコックはマイルスデイヴィスに歩調を合わせるようにファンクビートを導入したフリーキーなアルバムを制作します。しかし、彼はマイルスのようにその路線を突き詰めることなくより王道のファンクよりの路線を追求していきます。
メンバー
ハービーハンコック:キーボード
ベニーモウピン:サックス、バスクラ、フルート
ポールジャクソン:ベース
ビルサマーズ:パーカッション
ハーヴィメイソン:ドラム
Chameleon
ワウをかけたシンセベースのリフにタイトでパワフルなドラムが乗ったイントロの時点でかっこいいですがそこにクラヴィネットやシンセ、ホーンをいくつも重ねて作られたサウンドは今の耳でもショッキングなサウンドです。3分後半からシンセを使ったアドリブパートが始まりますがアナログシンセのスペイシーなサウンドはアルバムジャケット並みに毒々しいサウンドです。7分半ごろからポールジャクソンの超重量級のベースが入ってきますが並みのファンクバンドは逃げ出してしまうに違いないくらいファンキーです。ハービーはシンセをエレピやストリングシンセに変えてメロウに弾いています。その後頭のリフに戻りベニーのサックスソロになります。
一曲目に1番出来のいい曲を持ってきているアルバムは数多くありますが、そのうえそれ以降の曲も捨て曲ではないアルバムはそうないと思います。
Watermelon man
ファーストアルバムに収録されていた曲の再録。アフリカンなイントロから重量級ベースとタイトなドラム、ハービーの各種キーボードが作り出す音はオリジナルのそれとは全く違ったサウンドです。ベニーのサックスはファンキーでもフリーキーでもないオーソドックスなジャズスタイルで逆にそれが意外性があっていいです。
Sly
スライストーンの名をつけた曲。ほんのりロックの要素もあるスローテンポのジャズファンクナンバーです。2分頃に急にスピードアップすると2台のクラヴィネットが左右から鳴り、真ん中でサックスとドラムが激しいプレイを繰り広げています。5分頃にまたテンポが変わりクラヴィネットは一台になる代わりにエレピソロが入ります。このエレピソロは新主流派っぽいフレーズもあって面白いです。
Vein Melter
スローテンポの曲。マーチング風のドラムやストリングシンセやエレピを多用したメロウかつスピリチュアルなサウンドが印象的です。
ヘッドハンターズ参加作