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Melvin Jackson - Funky Skull(1969)

本作はサックス奏者エディハリスのベーシストだったメルヴィンジャクソンの唯一作です。彼はウッドベースを使いますがリーダーに触発されたのか本作ではアンプに各種エフェクターをつけて前衛的かつストレンジなサウンドを作っています。さらにバックにはチェスのセッションミュージシャンとアートアンサンブルオブシカゴのメンバーの共闘。ファンキーさと前衛さがいい具合にミックスされたこの時期のシカゴジャズらしい一枚です。

メンバー
メルヴィンジャクソン:ウッドベース、マエストロG-2フィルターボックス、ブーメラン、アンペグ、エコープレックス

1,6
モーリスジェニングス:ドラム
フィルアップチャーチ:ギター、エレキベース
ピートコージー:ギター
ドナルドタウンズ、トムホール:トランペット
ボビーピットマン:テナーサックス
トビーウィン:バリトンサックス

その他
ビリーハート:ドラム
ジョディクリスチャン:ピアノ、オルガン、エコープレックス
レスターボウイ、レオスミス:トランペット、フリューゲルホルン
ロスコーミッチェル:アルト、ベースサックス、フルート
バイロンボウイ:テナーサックス、フルート
スティーブギャロウェイ:トロンボーン
サウンドオブフィーリング:ボーカル

マエストロG-2はマルチエフェクトユニットというもので様々なエフェクターをひとまとめにしたものらしいです。詳しくは下記のサイトで解説されています。ブーメランはワウの一種、アンペグはプリアンプでエコープレックスは磁気テープを使って音を遅延させるエフェクターのようです。下のYouTubeはハービーハンコックがローズを使って実演している動画。ただし僕も分かったような分からないようなって感じなので、詳しい方、使っている方良かったらコメントで補足していただけると嬉しいです。

でかいアンプの上に二つ、下に一つ箱が置いてあります。さらに呼び鈴のようなものが置いてあり、これはどれかの足踏み式のスイッチなのかもしれません。


Funky Skull Part1&2
JBのCold Sweatのリフとリズムをそのまま使った演奏に乗ってビュンビュンとエフェクターをかけたベースが奇妙に唸ります。

Ma, She's Makin' Eyes At Me
アナログシンセのようにエフェクターをかけたベースが唸る一曲。

Bold And Black
同時期のチャールズステップニー作品にも通ずるほんのりサイケでスピリチュアル。そしてファンキーな作品。

Dance Of The Dervish
スピリチュアルなコーラスが印象的な一曲。ホーンやベースにはフリージャズ的な響きがあります。さらにプリミティブなパーカッションとトランペットに煽られてアルコがうねり、ボイスエフェクトがサイケで混沌として展開へ

Everybody Loves My Baby
エフェクターをかけたアルコのウネウネとドラムのデュオナンバー。

Cold Duck Time Part1&2
エディハリスのカバー。こちらもFunky Skullと同様ファンキーながらもストレンジなサウンドです。

Say Waht
スウィンギーなリズムにのってワウをかけたベースがウネウネします。バックでホーンがあったりエフェクトが変わるのでビッグバンドのソロ回しのようです。そしてレスターボウイのフリーキーなトランペット!そしてとても手堅いウォーキングベースです

Funky Doo
ソウルっぽいキャッチーな一曲。後半の高速ウネウネが圧巻です。

Silver Cycles
エコーがかかったストレンジなアルコとフルートの音が不気味な一曲。アルバム通して全てはエフェクターをかけたウッドベースを披露するための素材だと言わんばかりの一枚です。