「ウォールオブサウンドの最後」Ike & Tina Turner. River Deep - Mountain High(1966)
アイク&ティナターナーは時期によってスタイルが異なれど基本的には黒人に受けるサウンドを作りそのライブはJBの次に素晴らしいと言われていたようです。そんなアイク&ティナですが本作はプロデューサーにあのフィルスペクターを迎えています。結果アルバムタイトルと同名のシングルがアメリカのチャートで88位という結果に終わり(対照的にイギリスでは3位を記録)フィルはショックのあまり一時期引退してしまいます。ティナは本作を「ポップソングとしては黒人的すぎてR&Bとしては白人的すぎた」と語っていたようですがイギリスはそこらへんを気にせず聴く人が多いイメージなのでそこがチャートの大きな差に現れたのかなと思います。
メンバー
はっきりしている人
ティナターナー:ボーカル
アイクターナー:コーラス
レオンラッセル:ピアノ
ハルブレイン、アールパーマー:ドラム
クレジットはあるけど何したかわからない人
ソニーボノ、グレンキャンベル、ラリーレヴィン、ジャックニッチェ(アレンジ?)
クレジットにはないけどもしかしたら参加していたかもしれない人
アイクターナー:ギター?
アイケッツ:コーラス?
River Deep - Mountain High
ウォールオブサウンドとソウルミュージックが融合した最高の一曲。個人的にはフィルスペクターの最高傑作だと思うし、まだ作っていませんが好きなポップソングランキングの上位入り確定です。
I Idolize You
ダーティーなR&Bナンバー。だいぶ前に読んだ話なので記憶違いもあるかもしれませんがこのアルバムの制作時神経質なフィルは荒っぽい性格のアイクを恐れており、アイクが書いた曲にはフィルは関わっていないらしいです。
A Love Like yours(Don’t Come Knoking Every Day)
シンフォニックなソウルナンバー。60年代中期のストーンズはこういうサウンドの曲がちょくちょくある気がします。オリジナルはマーサ&ヴァンデラスで作者はH-D-H(つまり完璧と言うこと)です。
A Fool In love
60s初期のロックンロールとソウルの中間みたいな曲。オルガンが入ればスタックスサウンドみたくなりそうです
Make ‘Em Wait
アイク作でコーラスもつけています。アイク&ティナターナーらしいサウンドでライブでやれば大ウケしたに違いありません。
Hold On Baby
アップテンポのワイルドなナンバー。しかししっかりウォールオブサウンドです。
I’ll Never Need More Than This
王道のウォールオブサウンドながらもほんのりファンキーでかっこいい曲。
Save the Last Dance For Me
ドリフターズのカバー。オリジナルよりもシンフォニックなアレンジがかっこいいです。フィルは一時期ドリフターズやベンEキングの曲の制作、アレンジをやっていたらしいのでちょっと縁を感じます
Oh Baby!(Things Ain’t What They Used To Be)
この時代らしいサウンドのソウルナンバー。リズムはモータウン、ホーンはスタックス風のサウンドです。
Everyday I Have To Cry
ウォールオブサウンドの曲ですがオリジナルはYou Better Move Onが有名なR&Bシンガーのアーサーアレキサンダーです。
Such A Fool For You
知らずに聞いたらモータウンの曲と誤解しそうなキャッチーでアップテンポなサウンドの曲。
It’s Gonna Work Out Fine
アイクとティナの掛け合いが印象的なソウルナンバー。R&Bで2位を記録したヒットナンバーです。