もう一つのスタッフ Rainbow. crystal green (1976)
タイトル見てハードロック紹介するなんて珍しいと思った人もいるかも知れませんが今回紹介するレインボーは同名のフュージョングループです。メンバーは以下にもあるようにスタッフのメンバーがほとんどですがセッションワークとして割り切ったのかキーボードがリチャードではないからなのかスタッフほどクセは無いしキーボードも地味ですがなぜかマイケルブレッカーが熱演しており実質マイケルブレッカーのアルバムと言っていいと思います。現在では配信にないうえに最後にCD化されてから時間が経っているので新品の入手はきつそうですが中古LPは1000円以下で手に入ります。
マイケルブレッカー:テナーサックス
ウィルブーブレア:編曲、キーボード
アーサージェンキンズ:キーボード(4)
クリスヒルズ:クラビネット(5)
ラルフマクドナルド:パーカッション
エリックゲイル、コーネルデュプリー:ギター
ゴードンエドワーズ:ベース
スティーブガッド:ドラム
70sのフュージョンやAOR、ソウルでありがちなリーダーが無名なのにサイドマンが無駄に豪華ってやつなので、バンドとはいえおそらくこれ一枚だけの活動であることが初めから決まっていたと思われます。ライナーには録音から2年たった今でも彼らの名前を見ることがないと書かれています。何かの間違いでスタッフの代わりにこっちが売れた世界線も想像すると面白いです。
Hossan
マイケルブレッカーのサックスがメロウな曲。エリックゲイルのいつものブルージーなソロとコンプレッサやワウをかけたリズムギターが印象的です。アコースティックピアノソロは美しくてほどよくソウルフルですがクセがなくリチャードティーと比べるとあっさりと聞こえます。
Lost in a song
ゆったりとしたテンポでサックスとピアノ、ストリングシンセが気持ちいいです。
So true
スタッフのアルバムに入っていても違和感のない弾むようなリズムがかっこいい曲。特にガッドのドラムはシンプルながらも弾力のある音で印象的です。このアルバムで1番好きです。
It ain’t no use
スティービーワンダーのカバー。マイケルが恐ろしく気合の入ったハードなブロウを吹いていてこの一曲だけでもこれを聴く価値があります。
I like it
ファンキーなナンバーでスティーブのタイトで少し跳ねるようなドラムとゴードンのうねるベース、クリスのクラヴィネットがかっこいい曲です。こういうシンプルなグルーヴにのって盛り上がっていくような曲がフュージョンでは面白いです。
Feel like makin love
ロバータフラックの曲でフュージョンではスタンダード的な一曲です。シンプルながらタイトなリズムがかっこいいジャムセッションです。。この曲でギターソロを弾くのはコーネル。スタッフのモントルーでのライブ映像の時のようなラフに指引きするコーネルの姿が目に浮かぶような演奏です。
コネクション:無名なリーダーたち
セッションミュージシャンの活躍がレコードのクレジットとして知られるようになった70年代にはメインのミュージシャンは聞いたことないけどバッキングはよく見る人たちというアルバムが数多くあります。個人的にはリアルタイムであまり売れなかったそういったアルバムの方が幻の名盤として話題になって今ではリアルタイムで売れたアルバムと肩を並べたりそれを超えるなんてことも。本人(たち)はどう感じているのか気になります。