Stevie Wonder. Songs in the Key of Life(1976)
今年も一年ありがとうございました。最後の更新は大作が故に後回しにしてきたスティービーワンダーのキーオブライフを紹介します。LP2枚におまけのEPが一枚という本作。少し冗長に思えたり他にもっといい曲あったんじゃと思わないでもないものもありますがスティービーの才能をこれでもかと詰め込み、ジョージベンソンやハービーハンコックを始めとした豪華ゲストを迎えた本作はスティービーを聴くうえでも語るうえでも欠かせない一枚です。
メンバー
スティービーワンダー:キーボード、ハーモニカ、ドラム、ボーカル
ハービーハンコック、グレッグフィリンゲインズ:キーボード
ジョージベンソン、マイケルセンベロ、ディーンパークス、バジーフェイトン、:ギター
ベンブリッジズ:ギター、シタール
ロニーフォスター:オルガン
ネイザンワッツ:ベース、ボーカル
ジョージボハノン:トロンボーン
ハンクレッド:サックス
ドロシーアシュビー:ハープ
ボビーハンフリー:フルート
エディ”ボンゴ”ブラウン:パーカッション
レイモンドパウンズ:ドラム
シリータライト、デニースウィリアムス、ミニーリパートン:ボーカル
他
Love’s in Need Of Love Today
コンガ以外を全てスティービーが演奏している曲。Music of my mindに収録されていても違和感のなさそうなタイトなリズムと柔らかいメロディが印象的な曲です。
Have a Talk With God
モーグとドラムの水中にいるようなリズムとハーモニカが印象的な曲。
Village Ghetto Land
オーケストラをバックにした曲。
Contusion
キーボードを幾つも重ねたファンクナンバー。マイケルセンベロのロック風のリードギターもかっこいいです。
Sir Duke
デュークエリントンに捧げた曲でタイトなリズムや軽やかなリズムギター、鮮やかなホーンセクションがかっこいいです。個人的にはこの曲が1番好きです。
I Wish
叩きつけるようなドラムとリズムギターのようなシンセがかっこいいファンクナンバー。Contusionからこの曲までのファンク3連発がこのアルバムのハイライトの一つだと思います。
Knocks Me Off My Feet
フュージョン風のバラードナンバー。エコーをかけたエレピが美しいです。逆にスティービーらしいドラミングは力強くてかっこいいです。
Pasttime Paradise
ストリングスとパーカッションをバックにした曲。ミステリアスなサウンドが印象的です。コーラスでキリスト教の教会のゴスペルクワイアとハレクリシュナの信者たちが参加しているのが面白いです。
Summer Soft
ジャジーなバラードナンバー。ここでオルガンを弾くのは数々のレアグルーヴアルバムやジョージベンソンのバンドでの活躍が有名なロニーフォスターです。
Ordinary pain
シリータ、ミニー、デニースの3人によるコーラスが印象的なバラードナンバー。2部構成で1部はスティービーがリードを取るタイトなリズムがかっこいいバラードナンバー、2部はコーラス隊だけが歌い、そのバックでシンセの奇妙なリズムがなるファンクナンバーです
Isn’t she Lovely
このアルバムで1番ポップな曲。弾むようなドラムやシンセのサウンドが聴いていて楽しくなります。(長すぎるハーモニカソロや泣き声や水遊び?のSEはちょっと蛇足な気がしないでもないですが)
Joy Inside My Tears
ジャジーなバラードナンバー。バラードナンバーの中では1番この曲が好きです。サビで右チャンネルにリードが移り、左チャンネルからコーラスと多重録音したスティービーのコーラスが聴こえるのが面白いです。
Black Man
シンセを重ねた演奏が印象的なミディアムナンバー。後半のコール&レスポンスでは様々な功績を残した人を先生が問いかけると子供たちが答えるという構成で興味深いです(ガスマスクを発明したのが黒人の発明家だったとかハヤカワさんという有名な教育学者がいたとかはこの曲を聴かなければ一生得られない知識な気がします。)
Ngiculesa Es Un A Historia - I am Singing
ブラジル風のミディアムナンバー。この頃はセルメンがスティービーの曲をカバーしたり新曲を提供してもらっているのでそこら辺と関係があるのかも
If It’s Magic
ドロシーアシュビーのハープだけをバックに歌う曲。後半のハープとハーモニカのデュオが特に美しいです。ジャズ界出身の彼女ですがこの頃は本作に限らずソウルのアルバムにもよく参加しています。
As
ゴスペル色の強いファンキーで力強いナンバー。演奏はもちろんコーラスも力強くてかっこいいです。この曲でエレピを弾いているのはハービーハンコック。この曲が気に入ったのか後に笠井紀美子との共演盤でも演奏しています。どちらが先かは不明ですが同時期に録音されたハービーのマンチャイルドにはスティービーがハーモニカで参加しています。
Another star
ラテン調のパーカッシブな演奏がかっこいい曲です。シンセサイザーの使用が目立つ本作ですがこの曲はシンセよりもアコースティックピアノの音が目立ちます。ジョージベンソンとボビーハンフリーが参加。ジョージは短いですがはっきりとわかるフレーズを演奏しています。一方のボビーは熱い演奏を長めにしています。
ここからはボーナスEPです。
Saturn
デモっぽいサウンドのバラードナンバー。
Ebony Eyes
子供たちが遊んでいるSEから始まる曲。アコースティックピアノやサックスだけでなくヴォコーダーやファズをかけたシンセなども使ったスティービー流ジャズボーカルです。
All Day Sucker
オートワウをかけたベースやギザギザしたクラヴィネット、スペイシーなシンセがPファンクっぽいファンクナンバー。
Easy Goin’ Evening (My Mama’s call)
スティービーが1人でジャムったような哀愁あるインストナンバー。