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Paul Desmond. From the Hot Afternoon(1968)

ポールデズモンドはデイブブルーベックのグループでサックス奏者として活躍し、その一方で優れたソングライターとしてテイクファイブ他様々な曲を提供しました。デイブのグループを離れたのちは複数のレコード会社を渡り歩き、68年から亡くなる直前までA&M、CTIと契約し、優れたレコードを幾つもだしています。本作はA&Mからの2枚目でポールらしいジェントルでソフトなサックスとクラウスオガーマン(ドンセベスキー?)のアレンジ、アイアート他ブラジル系ミュージシャンのリズミカルな演奏がミックスした最高の一枚です。

メンバー
ポールデズモンド:アルトサックス
ロンカーター:ベース
アイアートモレイラ:ドラム:パーカッション
ジャックジェニングスパーカッション
ドリオフェレイラ、エドゥロボ(6,7,10):ギター
パトリックレビロット:キーボード
ヒューバードロウズ:フルート
スタンウェブjr:パーカッション、フルート
マーヴィンスタン:トランペット
エドゥロボ、ワンダデサ:ボーカル

October
ミルトンナシメントの曲。ポールの穏やかなサックスを中心にストリングやフルートがその周りを回るようなサウンドが印象的です。

Round ‘n Round (Gira Girou)
この曲もミルトン作。サンバ風の力強いリズムですがポールのサックスやストリングスが落ち着いたサウンドにしています。

Faithful Brother
3曲目のミルトン作。素朴なメロディが印象的な曲で歌うようなポールのソフトなサックスが印象的です。

To Say Goodbye
セルメンがよく演奏をしているエドゥロボの曲。ソフトなボサノヴァタッチでボーカル入りです。演奏はもちろんですが物憂げでハスキーなボーカルが特にいいです。

From The Hot Afternoon
ミルトンの曲。彼の曲がここまで多いのは同じ頃彼もCTIからアルバムを出していたのでそれと関係があるかもしれません。アップテンポのサンバナンバーでリズムに関してはこの曲が1番好きです。

Circles
エドゥの曲で本人歌とギターでも参加。落ち着いたタッチのボサノヴァでスキャットが印象的です。

Martha &Romão
ストリングとホーンがメインのイージーリスニングよりの曲

Catvento
アップテンポのボサノヴァナンバー。ホーンセクションの演奏が印象的です。ポールがアドリブでセントトーマスのイントロを一瞬だけ吹くのが面白いです。

Latin Chant (Canto Latino)
イントロがシンフォニックな映画音楽っぽい雰囲気の曲。イントロを過ぎるとアップテンポのラテンジャズになります。

Crystal Illusions
ボーカル入りのボサノヴァナンバー。ボーカルやストリング使い方がセルメンっぽいです。

ここからはボーナストラックで全てオルタネイトテイクです。どの曲もクオリティが高く、ホーンやストリングがいない代わりにリズムが強いので、ストリングスはゴテゴテしていて好きじゃないという人やリズムが大好きな人はこちらの方が気にいるかもしれません。

Round ‘n Round
アルバムバージョンにいたストリングスがいなくて、リズムやポールのサックスがくっきりとしていているので個人的には好きです。

Faithful Brother
オリジナルとはパーカッションが違う他、フルートがいません

From The Hot Afternoon
オリジナルであまり聴こえなかったロンカーターのベースがくっきりと聞こえます。

Catvento
オリジナルにはないドラムイントロがある曲。逆にセントトーマスのイントロはありません。

Latin Chant (Canto Latino)
オリジナルな映画音楽風のストリングがないのでかなり雰囲気が異なります。この曲もロンカーターの彼らしいベースがよく聞こえます。

From The Hot Afternoon
ギターの音が大きめにミックスされている他、ドラムも力強いです。