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Ramsey Lewis. Solar wind (1974)

本作はラムゼイルイスがCBSに移籍して3枚目にリリースしたアルバムです。録音はシカゴとメンフィスの録音でメンフィスでの録音にはプロデュースとギターでブッカーT&MG‘sのスティーブクロッパーが参加しています。また本作はラムゼイにとって初めてシンセサイザーを使ったアルバムでもあります。ジャケットもハードボイルドな格好でかっこいいです。本作と直接関係ないですがライナーでは本作のことをニューファンクサウンドとして紹介しています。モダンジャズが専門の方が書いた古いライナーノーツではいわゆるJBやスライのファンクやファンキーといったものとホレスシルバーやキャノンボールアダレイがやったファンキージャズを区別するためか前者をブラックロックや単にロック、ニューファンクといった言葉で紹介されています。些細ですが時代の変化が感じられて面白いと思います。

メンバー
ラムゼイルイス:キーボード
クリーブランドイートン:ベース
モーリスジェニングス:ドラム
ジェームスハーセン:ムーグシンセサイザー(2、6、8)
スティーブクロッパー:ギター(1、3、7、9)

Sweet and tender you
ファンキーなリズムに合わせてラムゼイがソウルフルなアコースティックピアノを弾いています。曲はスティーブクロッパーのオリジナルです。

Hummingbird
フォーキーなポップデュオのシールズ&クロフツのカバー。ラムゼイがメロウなエレピと力強いアコースティックピアノを弾き分けています。

Solarwind
明るいサウンドのファンクナンバー。スティーブクロッパーのギターとラムゼイの弾くギターのような音のクラヴィネット、クリーブランドイートンのベースがかっこいいです。

Jamaican marketplace
ジャマイカらしさは少ないですがラテン調の明るい雰囲気の曲。後半のピアノソロではかなりモダンジャズ的なフレーズを弾いているので曲の印象が少し変わります。

The everywhere calypso
オリジナルはソニーロリンズというちょっと変わった選曲ですがズッシリとしたビートとラテンタッチの軽やかなピアノが楽しい一曲に仕上がっています。中盤で出てくるベースのボウイングによる何かを引きずるような音が面白いです。

Summer breeze
シールズ&クロフツのカバー。エレピを使ったメロウなメロディとシンプルながらもタイトでグルーヴィなリズム、ミステリアスなムーグの音が印象的です。

Loves me like a rock
ポールサイモンのカバー。Arcというアコースティックピアノとハープシコードの中間のような音の楽器を使った軽快なロックンロール風の演奏です。

Come down in time
エルトンジョンのカバー。サザンソウル風のリズムやアコースティックベースのトリッキーなソロ、内省的なエレピの音が面白い曲です。

Love for a day
ゴスペルタッチのアコースティックピアノ、ワウを使ったファンキーなリズムギター、アフリカンなドラムがかっこいいスティーブクロッパーオリジナルの曲。