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George Benson - Tell It Like It IS(1969)
ジョージベンソンのCTIでの二作目。タイトル通り当時ヒットしていたソウルのカバーが並んでいます。ファンキーなリズムはジョニーパチェーコらによるパーカッションがラテンフレイバーを添え、バラードナンバーではエコーがかかったジョージベンソンの温かみのあるボーカルが素晴らしい一枚です。アレンジャーのマーティシェラーはモンゴサンタマリアのバンドのピアニスト兼音楽監督。この時期モンゴはラテンにジャズやソウル、ロックをミックスした雑食スタイルでしたが本作を聴くと、あのサウンドは彼の影響が大きいのかもしれません。
メンバー
ジョージベンソン – ギター、ボーカル
ルーソロフ– トランペット
アーサークラーク、ボブポーセリ、ヒューバートロウズ、ジェロームリチャードソン、ジョーファレル、ジョーヘンダーソン、ソニーフォーチュン:サックス
ロジャースグラント、リチャードティー:ピアノ
ボブブッシュネル、ジェリージェモット、ジムフィールダー:ベース
レオモリス:ドラム
ポールアリシア、アンヘルアジェンデ、ジョニーパチェコ: パーカッション
マーティシェラー : 編曲、指揮
ソニーフォーチュンがCTIでの吹き込みに参加したのは本作と同じくジョージベンソンのアビーロードのみ。当時モンゴのバンドにいたのでマーティが連れてきたのかもしれません。
Soul Limbo
南国調のハッピーな演奏が楽しい一曲。ホーンアレンジは確かにマーティが手掛けていたモンゴサンタマリアの曲とよく似ています。サックスソロはボブポーチェリ。サブーマルティネス、モンゴ、ファニア等の吹き込みに参加したラテン音楽の方です
Are You Happy
ジェリーバトラーのカバー。少し引っかかるようなトーンと伸びやかなチョーキングを織り交ぜたギターが印象的です。
Tell It Like It Is
アーロンネヴィルのカバー。彼のファルセットともまだ声変わりする前ともつかない独特な声質とはかなり違いますがほんのりエコーがかかった暖かいジョージのボーカルもまた良いです。
Land Of 1000 Dances
言わずと知れたウィルソンピケットの代表曲。オリジナルに似たホーンセクションをバックにグルーヴィーに弾き倒しています。
Jackie All
繊細なタッチのギターが美しいバラードナンバー。ホーンセクションもトランペットやフルートをメインにした柔らかい音ですがジェリージェモットと思われるグルーヴィーな重量級ベースが存在感を放っています
Doutcha Hear Me Callin' To Ya?
グルーヴィーなリズム、熱を煽るホーンセクション、縦横無尽に弾きまくるジョージベンソンの相乗効果がとんでもないファンクトラック。
Water Brother
ハードバップ的なギターがかっこいいジャズファンクナンバー。レオモリスのドラムも打ってるしベースもファンキーでレアグルーブ的にはこれが一番美味しいです。
My Woman's Good To Me
メロウなソウルナンバー。プレメロウソウルのプレイリストに入れたくなります。
Jama Joe
カリプソタッチ調の軽快な曲。グルーヴィーなソロが印象的です。
My Charie Amor
スティービーワンダーのカバー。ジョージはじっくり聴かせるように丁寧にメロディを弾いています。
Out In The Cold Again
言われなければジョージベンソンの曲とはわからないくらいがっつりソウルミュージックな一曲。
コネクション:マーティンシェラー
散々触れてきた彼ですが生まれはニューヨーク。顔を見るとラテン系ではない顔立ちですが、ユダヤ系のラリーハーロウやバリーロジャーズ、アフリカ系のビリーコブハム、バーナードパーディらのラテン音楽シーンでの立ち位置を考えると不思議ではありません。モンゴとは1966年から1979年までに長い付き合い。その間もファニア等ニューヨークのラテン音楽シーンで活動していたようです。