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菊地雅章 - Susto (1980)

菊地雅章さんの代表作にしてクラブ・レアグルーブ界隈からの評価も高い一作です。サウンド的にはマイルスデイビスのOn The Cornorを80年代風に作り替えたような複数人による重厚かつポリリズミックなリズムや多くのキーボードを重ねた不思議なサウンドは復活後のマイルスよりもマイルスらしいサウンドです。このアルバムのみが高く評価されていますが菊地さん名義のワンウェイトラベラーと日野皓正さん名義のダブルレインボーも似たようなサウンドでおすすめです。(近々紹介します)

メンバー
菊地雅章:キーボード
日野皓正:ボリビアンフルート(1)、コルネット(2)
スティーブグロスマン:ソプラノサックス、テナーサックス(3)
デイブリーブマン:ソプラノサックス(1)、アルトフルート(2)
リッチーモラレス、ヤーヤーセディック(2を除く):ドラム
ハッサンジェンキンス:ベース
ジェームスメイスン、マーロングレイブス(1,3)、バリーフィナティ(1)、ブッチキャンベル(2)、ビリーパターソン(3):ギター
アリリオリマ(1):コンガ
サムモリソン:ウィンドドライバー、ソプラノサックス
アイアートモレイラ:パーカッション
アイーブディエング:パーカッション(2)、コンガ(3)
エドウォルシュ:オーバーハイムシンセサイザープログラム

Circle / Line
7/8拍子という変拍子のファンクビートがクセになる一曲。たまにリズムが引っ込んで重厚なキーボードのフレーズが入る感じもドープでいいです。キーボードやサックス等一番オンザコーナーに近いサウンドですがキーボードの音はよりニューウェーブな感じになっています。

City Snow
美しくもどこか不気味なバラードナンバー。柔らかいコルネットが印象的です。

Gumbo
クラシカルなキーボードのフレーズが印象的なレゲエナンバー。マイルス本人がやらなかったエレクトリックマイルスのその先がここにあります。デイブリーブマンのコルトレーン直系のテナーサックス、アヴァンなファンクビート、揺らめくエレピとレゲエビートとはミスマッチに思えるフレーズやソロもありますが不思議とマッチしています。

New Native
地を這うような超重量級ベースが印象的な曲。軽やかにファンキーなリズムを刻むギターや甲高く空気を切り刻むコルネット、ダーティなトーンのサックス、アヴァンギャルドなシンセ等リズムの聴きやすさとは裏腹になかなかぶっ飛んだ曲です。