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Sonia Rosa - Spiced With Brazil(1974)

ブロッサムディアリーとならぶキュートな声がチャーミングなソニアローサのセカンドアルバムです。編曲はルパン3世、犬神家の一族で有名な大野雄二さん。ラテン、ブラジル風味のグルーヴィーな演奏とソニアのキュートなボーカルが組み合わさった極上の一枚です。ソニアがギターを弾き始めると周りのミュージシャンがそれに反応して自由に演奏に加わっていくという非常に自由な環境で録音された本作ですが、当時はオーディオチェック用で非売品だったそうです。こんないい作品を非売品にするなんてあまりにももったいないですがちゃんとCD化されています。

メンバー
大野雄二:アコースティックピアノ、エレピ、アープシンセ、編曲
ソニアローサ:ギター、ボーカル、編曲(9)
山本剛:ピアノ(6)
直居隆雄:フォークギター、ガットギター
松木恒秀:エレキギター(3,8)
福井五十雄:ウッドベース
岡沢章:エレキベース
岡山保義:ドラム
ラリー須永、穴井ペペ、斉藤不二雄:パーカッション
山川恵子:ハープ

Garota De Ipanema
ソニアの元気なウン!ドイス!トレス!(ポルトガル語で123)という掛け声から始まりますがこんなはつらつとしたイパネマの娘は聴いたことありません。演奏も弾みまくるラテンジャズです。

Here's That Rainy Day
ジャズでも有名なスタンダードナンバー。ストリングスのアレンジは犬神家の一族にも通ずるフレーズです。大人っぽい歌い方なのに発音は舌足らずで子供っぽいところが最高にキュートです。

Don't Let Me Be Lonely Tonight
ジェイムズテイラーの曲で、この曲も大人っぽい歌い方なのに発音は舌足らずで子供っぽいところが最高にキュートでしかも色っぽいです。松木さんのデヴィT風の艶やかなギターもとてもいいです。

Secret Love
スタンダードナンバーでソニアの歌の上手さが一番現れていると思います。ジャズ風にやりたい大野さんにラテン風にやりたいソニアは猛反対。でもラテンリズムにのって大野さんはノリにのったピアノを披露しています。みんな演奏に熱中しすぎてしまい演奏の辞め時を見失ってしまったそうです。

Corcovado
これもスタンダードで70年代風のボサノヴァになっています。声を伸ばすときにため息みたいささやくのが印象的です。

Casa Forte
エドゥロボの作品でアップテンポのラテンフュージョンに合わせて全編スキャットで歌っています。このアルバム全てそうですがオーディオチェック用だけあってドラムの音がいいです。

Atras Da Porta
シコブアルキの曲でブラジルのいい曲を知ってほしいということで取り上げたそうです。演歌というか昭和歌謡というか和を感じるアレンジです。

You Make Me Feel Brand New
トムベルが書いたスタイリスティックスがソウルだったころの一曲。流行りの曲をボサノヴァアレンジで聴いてほしいということで選ばれたそうですがフィリーソウルとボサノヴァをミックスしたメロウな演奏がたまりません。

Chove La Forma
弾き語りで演奏されています。雨のなか別れた恋人が何をしているのかを考えるという切ない歌詞を繊細に歌い上げています。