オーガ ベン展 「宇宙への手紙」
みぞえ画廊 福岡店では、オーガベン展「宇宙(そら)への手紙」
を開催いたしました。(2024年6月15日(土)~6月30日(日))
「オーガブルー」の進化
今回のテーマは、「宇宙」。多くの作品の背景部分は、
よく見ると小さな白金の星々が、光り瞬いているような宇宙空間が広がっています。
また、それ以外の部分では群青や藍色、そのほか赤や緑など、他の色もうっすらと混ざり合い、美しい背景が広がっています。
もともと先生は「青」に強いこだわりがあり、生まれ育った瀬戸内の海の色を画面上で表現なさっていました。
今回の個展作品は、その「青」がより濃く、深く、複雑になっているのを感じます。なぜか?それには、ある物理学との出会いがあったから、だそうなんです。
それは、「量子力学」。
量子力学とは・・・?
量子とは、物体を構成する小さな単位。分子、原子、陽子、中性子、
素粒子・・・。目には見えない、存在する物体の
最小単位を総称して「量子」と呼びます。
水は化学式ではH2O、水素と酸素の化合物です。水は見えますが、
水素と酸素を肉眼でとらえることはできません。
その水素と酸素が「原子」つまり量子の一種。
その「量子」のふるまいを研究する学問が、「量子力学」です。
ちょっと難しいですが、この「量子」、どんな動き方をするのか、
どんな性質があるのか、いまだすべて解明されていない学問なんです。
量子力学と宇宙
目にも見えないものが、どうして大きな宇宙と結びつくのか?
量子力学では、宇宙の始まり ―ビッグバンー は、この量子(素粒子)の「ゆらぎ」から始まったと考えられています。
目にも見えない「量子」から、未だその大きさもわからず、さらに膨張し続けているという「宇宙」が生まれていた。
さらに宇宙の始まりは、地球の起源、ひいては人間を含むすべての生物の起源でもあるとも言えます。
人間も、宇宙も、突き詰めれば「量子」。
オーガベン詩画集「こころの宇宙(そら)」のあとがきで、先生は
こう記されています。
「人々の心は果てのない宇宙そのものであり、その宇宙はあらゆるものとつながっている。そしてこの世のものは全て星の欠片からできていて、滅すればまた宇宙に還ってゆくのだ。」
量子力学を知り、宇宙とのつながりと感じられるようになった、と先生はおっしゃいました。その雄大で、荘厳な概念は制作物にも影響を与えています。
宇宙に思いを馳せた、「青」が進化したのもそのひとつ。
さらに深く、濃く、複雑な、新しい「オーガブルー」。
吸い込まれそうな「青」のまえには、どこかノスタルジックな光景が広がる、オーガ先生の新境地です。
ガラス絵新作とイベント
また、今回もガラス絵の新作が発表されました。
こちらにも、小宇宙が広がっています。
オーガ先生の作品は、どれも「額師風雅」さんによって額装されていますが、とくにこのガラス絵の額はさまざまな意匠が施され、オーガベンの世界観を表現する、大切なファクターです。
また、6月22日(土)には、2回目となるアコーディオン奏者
Yocci(ヨッチ)https://www.instagram.com/yocci0621/ さんの奏でる
アコーディオンに乗せて、オーガ先生が詩を朗読するイベント「詞と音と絵と」を開催いたしました。
オーガベンが大切に一言一言紡いだ詩と、どこか哀愁を感じるアコーディオンの音色とメロディ、聴き入ってしまいました。イベントにお越し頂いた皆様、ありがとうございました。
この様子はみぞえ画廊のインスタグラムでご覧いただけます。
みぞえ画廊では、今年の12月に東京店で個展の予定です。
さらに新しいオーガベンの世界、是非ご期待ください!
オーガベン展(予定)
12月7日(土)▶12月25日(日)
みぞえ画廊 東京店