【Le Ragazze Amate dai Lupi #4】 Camila Galante
2022年12月。“La Selección”は前回王者フランスを延長の末PK戦で下し、悲願のW杯トロフィーをカタールの空に掲げた。フットボール界の天才児MessiがW杯を制した歴史的な日である。彼の背中を幼い頃より追いかけてきた選手たちは、今こそ彼のために体を張り…
正直そんなことはどうでもいいのである。僕からすれば、かつてローマで頭角を表し、今やワールドクラスとなったLeandro Paredesがワールドチャンピオンになり、翌シーズン満を持してジャッロロッソに戻ってきたことの方が何よりも重要だ。何より、De Rossiから16番を公認で受け継ぐことになるのだ。誰も文句は言えない。昨季の活躍も申し分ない。直近のコパアメリカ王者にも輝いた。来季もDDRの下で、さらなる…
まあ正直この場で彼の偉大さを書き並べたところでなのだ。今回は僕らのLeandroと長年共に歩んできた一人の女性を紹介したい。
彼女の名前はCamila Galante。
同郷の幼馴染
Camila Galante。1992年6月19日生まれの32歳。アルゼンチンはブエノスアイレス州のサンフスト出身。Leandro Paredesとは同郷である。
LeandroがBocaの下部組織育ちなのは周知の事実。Camilaの弟、Ramiro Galanteも同じくBocaのユース生だった。
下部組織から共に過ごす選手たちは家族ぐるみで仲が良い。Romaのプリマヴェーラの選手たちも、チーメイトの母親のInstagramをフォローしていたり、またガールフレンド同士も友人関係だったりする。練習場に送迎してくれるのは家族なのだから、自然と親交は生まれるのだろう。
そう考えると、LeandroとCamilaの出会いも必然だったのかもしれない。
※ここから先、本人のインタビュー記事を元に一部作者の妄想を交えてお届けします。
Leandro、7歳。Bocaに入団して間もない、ある日の練習終わり。チームメイトのRamiroと自宅へ帰るための迎えを待っていた。先に車に乗って現れたのはRamiroの家族だった。ふと車の中を見る。自分よりも少し年上だろうか。助手席に大人びた少女が子犬を抱いて座っている。
車から彼女が降りてきた。こちらに近づいて来る。
『Ramiroのお友達?』
「うん…、Leandro…。」
『私、Camila。よろしくね』
もう少しで鼻先が触れてしまいそうだった。瞬間的に恋に落ちた。彼女が抱いていた子犬にまで嫉妬してしまう。
これまで感じたことのない心臓の鼓動。まさかこれが...?
「ママ!俺、ガールフレンドができたんだ!」
勿論、彼女はまだそんなつもりはない。
体に刻まれていた名前
しばらくCamilaはLeandroにずっと片想いされていたようだ。
Leandroには姉が何人かいる。そのうちの一人、Jimenaはタトゥーが趣味で、ある日自分の弟の体にもタトゥーを入れようと画策する。何とも迷惑な話である。
LeandroがCamilaのことを想っていることは、過去に母親に堂々宣言したおかげで、家族の中では勿論共有されている。冷やかしも込めて、JimenaはLeandroに提案した。
『ねえ、Camilaの名前入れたりしないの?私が彫ってあげるから服脱ぎなさい。』
渋々服を脱ぐLeandro。しかし、既に彼の体には“Camila”の文字が刻まれていた。驚くJimena。嬉々とした興奮の叫びが家の中に響き渡った。
二人はまだ交際を始めていない。
二度と口を聞かないからね
Camilaは16歳に、Leandroは14歳になった。ある日、Galante家とParedes家はSan Bernardoでバカンスに行くことになった。家族入り混じり、みんなで談笑していた夜、Camilaの弟、Ramiroは二人がその場にいないことに気づく。
どこに行ったんだ?
辺りを探すが見当たらない。みんなで楽しく話している時に二人で何をしているんだ。コテージから少し離れたビーチに向かった。
予感は的中である。
浜辺は既に薄暗かったが、はっきりわかる。
二人の唇は既に合わさっていた。
CamilaはRamiroがこちらに近づいて来るのに気づく。弟にバレてしまった。Ramiroは冷やかしてくるに違いない。
「ごめんね、Leo。弟に何か言われるかもしれないけど、気にしないでいいからね。」
しかし、RamiroはCamilaの方に向かって言葉を吐いた。
『姉ちゃん、俺のダチを襲おうとするんだったら、二度と口を聞かないからね』
この頃から二人は付き合い始めることとなる。
VictoriaとGiovanni
Bocaのトップチームに定着したLeandroは徐々に頭角を表していく。いつも隣で彼に寄り添っていたのはCamilaだった。
2014年冬、LeandroはSerieAのChievo Veronaにレンタル移籍することが決まる。勿論Camilaも共にイタリアに渡ることになるのだが、もう一人連れていかなければならない存在がいた。
名前はVictoria。2013年の12月に二人の間に生まれた女の子である。
そして、2016年。Leandroが我らがRomaで2年目のシーズンを送っていた頃。男の子が生まれる。名前はGiovanni。
二人の子供に恵まれたCamilaとLeandro。
二人は口を揃えてそう言う。慣れない土地、イタリアでの子育てはCamilaにとって簡単なものではなかったかもしれない。しかし、SNS等で見る一家の仲睦まじさは、CamilaとLeandroがいかに愛を持って彼らに日頃接しているかが分かる。
バチくそかわいい。
VictoriaはCamila、GiovanniはLeandroそっくりである。
ちなみに二人はInstagramのアカウントを持っている。
Victoria:victoriaparedes97
Giovanni:gioparedes2016
ぜひフォローしてほしい。
そして、2017年12月29日。
ようやくCamilaとLeandroは永遠の愛を正式に誓うこととなる。
Camila Galante Cosmetica
二人の子供に恵まれ、長年共に過ごしてきた愛する人と永遠の愛を誓ったCamila。そんな彼女は普段何をしているのだろうか。
2021年、Camilaは自身プロデュースのコスメティックブランドを展開し始める。
ブランド名は、Camila Galante Cosmetica。
堂々自分の名前を冠した。
ブランドの理念は以下の通り。
スペイン語なので何が書いてあるかさっぱり分からないが、最後の一文に彼女の想いが込められているだろう。
外面的な美のみを追求するのではなく、内面的な美も大事にする。そのような人々にインスパイアされたブランド。
それは、彼女自身が内面的な美しさを誰よりも意識していたからこそ大切にできる考え方であり、そのような人々が増えることを願っているのだろう。彼女の活動が多くの女性の希望になると嬉しい。
そんなCamila Galante Cosmeticaのプロダクトだが、やはり尋常じゃない程高かった。
どうせなら購入してレビューでもしようかなと考えたが一瞬で諦めた。
Camila Galante
2023年の11月。2026年W杯の南米予選でアルゼンチンはウルグアイに敗れる。その時、とあるアルゼンチンの全然可愛くない女性モデルがInstagramのストーリーズに連投した内容がとある騒動を生んだ。
それは、アルゼンチン代表のウルグアイ戦後のパーティーに報酬付きで招待されたことを暴露したものだった。
ウルグアイ戦に負けたということもあり、様々な議論が巻き起こった。
Camilaはこのような言葉を残している。
そう鋭く切り込んだ。
そして、
巷のくだらない噂に気にも求めてないことを強調しながらも、しっかり憤りを露わにしてしまっている。何とも人間らしい。その憤りは彼女がLeandroを真に愛しているからであり、何よりも家族を大事にしていることが伺える。そして、彼女がLeandroのパートナーであることを考えると、なるほどと頷ける人は多いのではないか。
Camila Galante。
彼女について少しでも知ってもらえただろうか。
選手一人一人に家族があり、大切に思う人間がいる。我々フットボールファンはそのことを案外忘れがちだ。
Camila、そして彼女が愛する家族がずっと幸せでありますように。
ずっとローマいてくれもいいんだよ。
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