世界文化遺産の街で謎解き!五十路オカン、ゴルゴ13とともに堺市を巡る
「俺の後ろに立つな」
はい。
ということで『謎解き五十路オカン』こと私"はりまな"
『GOLGO13×SAKAI謎解きMISSION LIGHT THE FUSE』
に参加してきました。
大人気劇画「ゴルゴ13」と
大阪第二の政令都市・堺市とのコラボによる
体験型謎解きイベントです。
2024年10月5日から11月17日までの開催ということで、
うん、あと少しで終わってしまいますね。
見事謎解きをクリアした参加者のために
オリジナルグッズが用意されていたそうですが、
人気がありすぎて
早々に予定数終了してしまったとのことでした。
それだけが非常に残念です。
『ゴルゴ13』と言えば、1968年に連載が始まった
さいとう・たかを氏による劇画作品。
現在も続く日本漫画史上最長連載記録を持っています。
主人公デューク東郷(通称:ゴルゴ13)は、一流のスナイパーで
どんな困難な任務も完璧に遂行するプロフェッショナルです。
その物語は、世界各地を舞台にしたリアルでスリリングな展開で
多くのファンを魅了しています。
累計発行部数は3億冊!
すごっ!
片や、堺と言えば、大阪府の南部に位置する
人口約83万人の政令指定都市。
『古市古墳群』とともに世界遺産に登録された
『百舌鳥古墳群』があり、
中世には自治都市として繁栄してきました。
そして千利休や与謝野晶子を輩出した地として知られています。
刃物や鉄砲など、鍛冶の盛んな土地としても有名ですね。
ゴルゴ13と堺にどんな関係が……?
と思ったら、ゴルゴ13作者のさいとう・たかを氏は
堺のご出身だったんですね!
納得したところで、今回の
『GOLGO13×SAKAI謎解きMISSION LIGHT THE FUSE』
このイベントでは、
事前にある程度、
謎解きスポットがわかっています。
公式サイトより指示のあった場所は3カ所。
堺市博物館
百舌鳥古墳群ビジターセンターさかい
利晶の杜
この3カ所を巡って謎を解き
次に訪ねるシークレットスポットを
特定するという流れです。
シークレットスポットは2カ所ありました。
公開されている謎解きスポット3カ所は、どの順番で巡るのも自由です。
私たちは『百舌鳥古墳群ビジターセンター』そばの駐車場に車をとめ、
ここから謎解きを始めました。
百舌鳥古墳群ビジターセンター
「百舌鳥古墳群ビジターセンター」は世界文化遺産に登録されている
「百舌鳥古墳群」の魅力を紹介するための施設です。
展示や映像、模型を通じて古墳時代の文化や当時の技術に触れられます。
このように謎解きキットが無料配布されていました。
厚めの紙が2枚、二つ折りになっている薄い冊子です。
スタンドの後ろのテーブルには赤いペグシルも用意されていました。
ペグシルというのは薄型でクリップのような形をした、
アンケート用紙などと一緒に配布されることの多い、
あの使い切りタイプの鉛筆のことです。
はりまなのnoteでは、基本単語として
テストに出るので覚えてくださいね。
さあ、リピート・アフター・ミー! ペグシル!!
……
気を取り直して、
このペグシルの色が赤なのが、
珍しいなと思いました。
黒とか、緑もありますかね。
冊子の色が赤・黒・ゴールドなので、
細部に宿るこだわりを感じました。
冊子とベグシルを入手したので
謎解きに入ります。
えー、なんかゴルゴに依頼するときは
『なんかのラジオ番組に
何かの曲をリクエストする』
なんていう手順があったような?
古すぎる記憶ですが。
ゴルゴと堺の関係だから
あっさり手紙で依頼できるのかな?
そうして我々はゴルゴの手足となり??謎解きに挑んだのです。
謎解きは、冊子の情報と
施設内にある「何か」を照らし合わせ、
答えとなる単語を導き出します。
鉄道謎解きだと、
「これこれの看板を見て謎を解け」
というものが多いんですが、
今回はまず参考にする「何か」を探すところからのスタート。
そして「これ!」と見つけてから
「何のこと?」となるあの感じを
楽しみに行ってるわけですが、
ここは比較的あっさりひらめくことができて
非常に心地よかったです。
時間に余裕があるので、シアターも見ていくことに。
このシアター、写真撮影・SNS投稿が許可されていました。
美しい映像で堺という都市の歴史が語られていきます。
壁の大きなモニタだけでなく、
床にも動画が映し出されるタイプのシアターで、
迫ってくるかのように登場した八方睨みの龍に感激しました。
堺市博物館
ビジターセンターを後にしたら、道路を渡って博物館へ。
博物館のある大きな公園は、市民の憩いの場といった風情です。
こちらには、無料で見学できるスペースがあり、
そこが謎解きスポットになっています。
遠足?社会見学?の小学生と引率の先生方が来られて
一気に賑やかになる中、ここでの謎解きはなかなか苦戦……
冊子の情報が、博物館のどこにあるのか
全く見えてなかったです。
ボランティアと思われる男性が、「だいたいこの辺り」と
ヒントを与えてくれたのですが、
それでも夫と二人、
小学生たちの間をすり抜けながら
ごく限られた範囲を何往復もしました。
なんとか正解にたどり着き、外に出ると
こんな趣のある建物が。
500円でお抹茶をいただけるとのことでした。
少し休憩することに。
雰囲気のいいお庭をじっくり眺められるように、
ちょっとした休憩場所もあり
静かな空間でリフレッシュできました。
さかい利晶の杜
次に訪れたのが「さかい利晶の杜」
千利休の「利」と
与謝野晶子の「晶」からとって
「利晶」とのネーミング。
時代は違えど共に堺出身の偉人、
千利休と与謝野晶子に関する資料が
展示がされています。
こちらも展示とは別に無料のスペースがあり、
そこで謎解き。
なんと火縄銃のレプリカを
実際に持ってみることができました。
貴重な体験!
ずしっと重かったです。
ここでの謎解きには、
博物館での謎解き以上に苦戦しました。
行き詰まったので
隣接する千利休屋敷跡に行ってみたり、
ショップを眺めてみたりしましたが、
それでも何もわからない。
千利休屋敷跡ではボランティアの方から
興味深いお話を聞けたので、
頭を切り替えて再び「利晶の杜」に戻りました。
にもかかわらず何もひらめかず、
もう半ば投げやりな気持ちで館内をうろつく私。
対照的に何かを閃いた夫。
「勘違いしていた」と。
その勘違いに気づいて答えが見えたときは、
「確かにこのパターン、謎解きあるあるだ!」と
これまた心地よさに浸りました。
謎解きって、ある程度「パターン」を知っておくと解きやすいです。
頭の出来云々より、謎を解いた数、みたいなところがあります。
経験値でレベルが上がります。
何とか謎が解けた後は、
1階の千利休展示室と2階の与謝野晶子展示室を
見て回りました。
与謝野晶子の情熱的な言葉の力と温度、
そして細やかな感受性にあらためて感銘を受けつつ、
時間が足りないので、「後日また来よう」と夫と約束しました。
3つのスポットを巡り、導き出した答えから、
浮かび上がってきた場所へと向かいます。
シークレットスポット
ここから先は、シークレットスポットのため、
写真を載せることはできません。
というより、謎解きに夢中で
写真をほとんど撮れていません。
一つ目のシークレットスポットで
次のシークレットスポットの情報と
新たなアイテムを得て、
二つ目のシークレットスポットで
最後の謎を解くという流れでした。
いつもの鉄道謎だと、
「ここから先はどこでも解けます」という
文字が出るのが最後の謎。
それじゃあ、ご飯を食べて帰って
家でゆっくり謎に挑もう……となるのですが。
最近は、家に帰ると疲れ果ていて謎解きどころじゃない!
切ったり貼ったりする大工作タイムも面倒くさい!
となりがちでした。
今回は最後まで現地で楽しめました!
大工作タイムのための道具も用意してあって、
至れり尽くせり。
後からやってくる謎解き者さんの
ネタバレにならないように気をつかうけど、
かといって折ったり貼ったりしているものは
どうしたって見えてしまうんですよね……
気を遣いながらの大工作タイムのあと、
完成したアイテムを見て
「なるほど!」と笑ってしまいました。
満足したので帰る!
とはならず、
同時開催の初級編謎解き「21階に潜む謎」に
挑んだのでした。
これは、謎自体はシンプルだけど、
探すのが大変でした。
苦手なタイプ。
でも比較的短時間でクリアできてよかったです。
任務は果たした、だが……
ここまで、お抹茶と干菓子
あとは麦茶のみで動いてきたので、
商店街で遅い昼食をとりました。
注文したオムライスは美味しくて
ボリュームもあって……と
いいことづくめだったのですが、
なぜか苦しいくらい
お腹がいっぱいになってしまったのです。
こんなこと、滅多にない。
「草の根フードファイターのこの私が、
オムライス一皿でこんなに苦しむ??」
と愕然としました。
おかげで19時からの予定を
キャンセルする羽目に。
自分にとっては意外なオチが
ついてしまいましたが、
それでも楽しい謎解きの一日でした。
ゴルゴ13と堺
私は『ゴルゴ13』の大ファンという訳ではなくて、
今も連載が続いているのも知らなかったくらいです。
漫画をたしなむ者として、何巻か読んだくらい。
その程度の知識しかなかったけど、
同時開催の企画展示を巡ると
劇画というジャンルを築き上げ、
後進に大きな影響を与えた作品のパワーを感じました。
これ、読みたいけどまだ完結してないんだよね……?
そう言えば、さいとう先生は、
下書きせずにいきなりペンで描いてたんですって!
さいとう・たかをプロダクションは
完全な分業システムだから、
「さいとう先生はゴルゴの目しか描かない」なんて噂を
聞いたのを思い出したけど、あれは本当だったのかどうなのか……
分業システムといえば、火縄銃を作るのも分業制。
日本のものづくりの多くは分業なんですよね。
堺出身のさいとう先生からすれば、
分業を作品に取り入れるヒントは身近にあったと。
謎を解きながらさまざまな展示を見て感じたのは、
堺という街の繁栄と豊かさ。
この豊かさを栄養とし、
各時代の偉人が文化・芸術の分野で
大輪の花を咲かせたんだなあということ。
自宅から距離があるので、
あまり行くことのなかった街ですが、
堺の魅力の一端を感じられ、
世界が広がった気分です。