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iPhone のスイッチコントロールに期待した話

iPhoneの設定からアクセシビリティを開く。
スイッチコントロールというのをONにすると、頭を左右に振ることでiPhoneを操作できるようになる。

そういう情報を得て、それならば実家の母にもiPhoneを使ってもらえるのではないかと考えた。

実家の母が脳出血で倒れてから10年になる。

幸いにも一命を取り留めたが、右半身に麻痺が残った。

父が他界するまでは父が母の面倒を見ていた。現在は実家に残った弟に負担がかかっている。

70代の、身体の自由が効かない母親と、40代で独身の息子との2人暮らしはなかなかの閉塞感だろうと思う。

たまに、近くでひとり暮らしをしているもう1人の弟が外食に連れ出してくれるのと、デイサービスに行くのが母の楽しみのようだ。

母はガラケーを愛用していて、ちょっとしたメールなら左手で書ける。

いつもなら「元気?」とかなんとか前置きがあるのだが、それもなく突然弟への愚痴が始まるメールが届いたので面食らった。

距離があることに甘えて全てのことを弟たちに任せてしまっている手前、こちらもあまり強くは弟たちに言えず。

ただまあ、ただテレビの前に座っているだけの日常はあまりにつまらないだろう。

話し相手にくらいなるべきだ。
そう思って通話し放題のプランを探していたら、夫が「LINE始めてもらえば」と言い出した。

母はガラケーなのでLINEが使えない。

愛用のガラケーが壊れたとき、スマホへの乗り換えを母も一度考えたらしい。

だが、ショップの店員さんに、片麻痺でスマホは難しいというようなことを言われたようだ。

結局今もガラケーを使っている。

じゃあ、とガラケータイプのスマホを探していたら、夫が今度は「iPhone miniなら片手です使えるんじゃないの」と言い出した。

そうして上の情報に辿り着く。

アクセシビリティといって、身体に何かしらの不自由を抱える人向けにいろいろカスタマイズできる機能だ。

スイッチコントロールという機能は、その中のひとつ。

早速設定からアクセスビリティを開いて、スイッチコントロールを触ってみた。

たとえば、

頭を左に向けると音量を下げる。
頭を右に向けると音量を上げる。

そんなことができる。

音量以外にも、なんらかの操作を割り当てることができるのはわかった。

しかし、これをどう活かせば母にとって使いやすくなるのかが皆目わからない。

結局、実家に戻って今持っている私のiPhoneを触ってもらい、電話ならかけられるか、LINEはできるかと試してみるまではどうにもなりそうにない。

まん延防止法も解除されたし、1度は200km離れた実家に帰ってみた方がよさそうだ。

この2年はこちらも正月の帰省ができず、孫の顔も見せられなかった。



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