〈映画〉さらば、我が愛/覇王別姫
今回の映画もリバイバル上映。
前回、映画館で『戦場のメリークリスマス』を観た時に予告が入り気になっていた。
京劇の女形である主人公(レスリー・チャン)の波乱の人生の物語。
…いや、もう、波乱すぎる。
映画3本観たくらいの心にずっしりくる映画で、翌日の午前中までボーっとしていた。
いろんな差別や暴力、戦争、国内の紛争のなか、主人公の舞う姿は一際美しく浮かび上がっていた。
〜ここからネタバレあり〜
小楼の妻・菊仙が好き!強気でかっこいい。
だから死んでしまった時は悲しかった。
蝶衣ははじめ菊仙を憎んでいたけど、「姉さん」と呼ぶようになるほど憎しみが解けていたから、これからは3人とも仲良く…と思っていた矢先だった。
文化革命の自己批判のときに小楼が蝶衣と菊仙を罵ったのは、その場を無事にやり過ごすために仕方なくだったのではないか?恐らく聞いた2人は身を滅ぼしてでもプライドを守りたかったんじゃないかと思う。憶測だけど、すれ違ってしまったんじゃないかと思い悲しい。
最後は恐らく『覇王別姫』の物語通りになってしまったんだよね…?なんとなく観る前から想像はついていたけど、なぜあのタイミングだったんだろう。
舞台に2人きりで、スポットライトに照らされることで周りの席の様子が見えなくなって、ふと物語に深く入り込んでしまったのかなぁ。
小楼の安堵のような表情も不思議だ。まるでこれが相応しいタイミングだったかのような…。
うまく言葉にならないけど、見てるこちらも悲しさと同時になぜだか安堵するラストでした。