クラフトブルワリーを応援したい!「 オススメビール応援交換会 」 の思い
残念なことに、なかなか外にクラフトビールを飲みに出づらい状況になっています。もちろんビールどころではない、という方もいらっしゃるでしょう。どうか無理をなさらず。状況が落ち着くことを心から願っています。
クラフトビール好きの方の中には、この状況でもなんとか家でもクラフトビールを飲んでブルワリーを応援したい、という思いがあるのではないでしょうか。ぼくもそうなのですが、いかんせん家飲みだとなかなかそうたくさん減るわけでもなく、でもオンラインだと送料などもあってある程度まとまった本数じゃないと買いづらい。いくつものブルワリーのビールを一度に買っても置いておく場所がない。応援したいブルワリーはたくさんあるのに……という悩みもあるかと思います。
こういった悩みを楽しみながら解決するために「オススメビール応援交換会 」という取り組みを行おうとしています。この note ではこの取り組みにあたっての思いをご説明したいと思います。もしクラフトビール、特に自宅でクラフトビールを楽しむことにご興味があれば、少々長いですがお付き合いいただけるとありがたいです。
この取組のコンセプト
この取組を通じて実現したいこと
この仕組みで実現したいことはミクロとマクロでそれぞれあって、ミクロにはまず「クラフトビールを『買って応援する』のハードルを下げて、応援したい気持ちをより多く実際の応援 = 購買行動につなげる」ことで、マクロには「クラフトビールの多様性を守る」ことです。
みなさんの応援したい気持ちを届けるハードルを下げたい
クラフトビール好きとしては、あちらのブルワリーもこちらのブルワリーも、応援したいブルワリーがたくさんあります。普段であれば、ビアバーやビアイベントなどで、あちらを一杯、こちらを一杯と様々なブルワリーのビールをあちこちと飲むことができます。でも、家飲み、特にオンライン購入の場合は「あちこち買う」ということが案外難しくなります。
◎ 送料などの問題があって、1杯(1本)、2杯(2本)などの単位では購入しづらい --> 一度にある程度はまとまった本数を購入する必要がある
◎ 消費ペースや収納スペースの問題で、同時にいくつものブルワリーのビールをまとまった本数でストックできない
そのため、例えば応援したいブルワリーが5つあったときに、気持ちの上での応援順で購入していったとすると、5番目のブルワリーのビールを買うまでにはそれなりの時間が必要となってしまいます。
また、応援したい気持ちがあるんだけれど、それが「オンラインで一箱を注文する」という金銭的、心理的ハードルを越えられない限りは、そもそも応援の気持ちを実際に届けられる行動(=オンラインで購入する)までたどり着けませんよね。
これは例えです。応援したい気持ちは金銭との比較で測るものではないですし、順位をつけるものではないですよね。あくまでも例えです。でも、普段お店で飲んでいるときって「ここのブルワリーのビールをこれから12杯連続して飲むぞ」と言って一度にまとめてオーダーする人はいませんよね。あちらを一杯、こちらを一杯、と飲むんじゃないでしょうか。それが、オンライン購入の場合はちょっと違う性質の障壁が現れてしまうと思うんです。
このあたりがミクロに解決したい課題です。ひとつひとつは小さな「応援したい」という気持ちでも、それをなんとか集約することで最終的には購買行動に移るハードルを超えさせてあげられないか、それもなるべく早く(5番目を待つことなく)。
クラフトビールの多様性を守りたい
そして、こうしたミクロの問題がもしも未解決のまま集積したときにマクロで何が起こるかというと、ぼくが懸念しているのは応援したい気持ちが少数のブルワリーに偏ってしまう状況です。
個々人がそれぞれ「一番応援したい」と思うブルワリーからまず12本購入して、飲み終わったら次のブルワリーから8本、……と続いていって、どこかで「うーん、オンラインで買うのは本数が……」となるモデルを考えたときに、それが大勢になると、ある程度のマインドシェアがあるブルワリーに応援(購入)が集中してしまい、それ以外には応援(購入)がなかなか届かない、という状況がおこるのではないかと懸念しています。そのほかのブルワリーにも、集約したら実際はかなりの量の応援の気持ちはあるのに、でも届かない。
これは、よく言われる小選挙区の問題と近いんじゃないかと思っています。多くのブルワリーに潜在的には向けられている「応援したい気持ち」だけれど、当確ライン(オンライン購入の心理的金銭的ハードル)をなかなか越えられず死票になってしまう。本当は応援したいけれど、それが届かない。こうなってしまうと、中堅のブルワリーが苦戦してしまい、その結果として、クラフトビールの重要な魅力の一つ、多様性が損なわれてしまうんじゃないかと懸念しています。
現在直面している状況が何らかの形で落ち着いたときに、いくつかのブルワリーだけが残った、ということになってしまうと、必ずしもクラフトビールファンにとって幸せなことではないと思います。できることなら、なるべく多くのブルワリーと一緒にその先へと進んでいけるよう、クラフトビールの大切な魅力の一つである多様性を守りたいと考えました。
「 オススメビール応援交換会 」 の仕組み
こうしたことを実現しようと、ミニ株と比例代表制と頒布会といった感じの仕組みをごちゃっと混ぜて再構成した感じで、「 オススメビール応援交換会 」の枠組みを組んでみました。
この「交換会」ではまずはそのラウンドの参加者を募ります。そして参加者みなさんの応援したいブルワリーを一覧で共有、それぞれのブルワリーへの「応援したい」という気持ちを集約します。それを購入しやすい単位にまとめ、応援が集まったブルワリーからみなさんで分担してビールを購入、楽しむことで全体としてなるべく多くのブルワリーへみなさんの応援を届ける、というものです。これが1ラウンドで、これをできる限り次へ次へと回していけたらいいなと考えています。
この難しい状況の中、みなさんの「応援したい」という気持ちは必ずしも「そのビールを今すぐ自分が飲みたい」こととは限らないのではないでしょうか。あなたが飲めるのは1ブルワリーだけですが、あなたの応援したい気持ちはほかの参加者が飲んでくれるはずです。
この取り組みでは、参加者同士での配送先や金銭のやり取りなどは一切発生しません。ビールは各自がそれぞれオンラインで購入する形になります。参加者のみなさんにお願いするのは「最終的に担当になったクラフトビールを買って飲む」というお約束を(信頼ベースで)していただくことで、それ以上の金銭的なリスクなどは一切発生しない形になります。
この note はどちらかというと思いの部分を共有できればと考えて書いているので、進め方の具体的な話については実際の参加者募集の際などまた場を改めてご説明できればと思います。簡単にはこちらの資料にまとめてありますので、よかったらご参照ください。
クラフトブルワリーを応援!オススメビール応援交換会 short ver.
参加したらどんな楽しみがあるの?
先ほども書きましたが「オススメビール応援交換会 」は「楽しみながら解決する」ことを目指したいと考えています。「応援」のために歯を食いしばってビールを買い込む、飲む、みたいなことは、クラフトビールには似合わないと個人的には思っています。楽しんでこそのビール!
まず第一の楽しみは、もちろん参加者のみなさんの「オススメしたい!」「応援したい!」という思いがブルワリーへ届きます!これは、あなたが直接ビールを購入するだけではなく、他の参加者があなたが応援したいビールを購入してくれる、という形になるかもしれません。
ということは反対に、あなたが誰かの応援するビールを購入することになるかもしれません。このときに、あまり知らなかったブルワリー、知っていたけれど自宅では飲んだことのなかったブルワリーなど、ブルワリーとの新たな出会いのきっかけにもなるかもしれません。
そして、応援したいブルワリーの中には、ビールだけではなく、おつまみもセットで購入できるブルワリーもあります。こうしたものも合わせて購入してみると、普段ビアバーで飲むのとはまたちょっと違った、そのブルワリーならではのペアリングも楽しむことができるかもしれません。
また、参加者の中から希望する方でオンライン飲み会を開催して、購入したビールで乾杯をします。こういう状況ですが、せっかく同じ場でクラフトブルワリーを応援したいという思いを共有したメンバーなので、せめてオンラインで乾杯できればと思います。
理屈はわかるけど、本当にうまくいくの?
実はすでに一度 Facebook の友人と14名で実験してみて、案外まわりそうな仕組みだという感触を得ています。終了後に参加者のみなさんにアンケートをお願いしてフィードバックを頂いて、そこで出た課題への解決策も盛り込んで第二回目以降のスキームを調整してあります。
まだ手探りの部分はありますが、この先も何回かラウンドを回してみて、出てくる課題を参加者の皆さんと一緒に解決しながら、長く続けられる形に作り上げられればと思っています。
第一回目の実証実験にご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございます。
参加したい!どこに行けばいいの?
興味を持っていただいて、ありがとうございます!
現在のところ、まだそこまでしっかりとした体制にはなっていなくて、皆さんの善意にある程度頼って回しています。そのため、運用は私の Facebook で行っています。こんな公開の場に書いておいて申し訳ないのですが、私の Facebook つながりの友人の皆さんは私のポストを探してみてください。うまく回っていれば、第何回かの交換会にご参加いただけることと思います。
それ以外の皆様。すみません!でも、この取り組みはそれほど特殊なことは行っていなくて、友人同士で信頼関係のもとであればおそらく回ると思います。また、ぼくはビールが好きなのでビールを対象とした取り組みとしていますが、おそらく同じような「まとめ買いがちょっと大変」「そんなに家においておけない」みたいな問題を抱えた消費財であれば、同じような仕組みが適用できると思います。もう少し細かな説明も加えた資料も公開してありますので、もしご興味があれば、ぜひ皆さんも実施してみてください。
クラフトブルワリーを応援!オススメビール応援交換会 full ver.
まとめ
再掲になりますが、この取り組みのコンセプトはこのように考えています。
みなさんのクラフトビールへの「応援したい!」の気持ちを集めて、色々なハードルを超えられるだけの分量にまとめて再配分することで、みなさんの思いをブルワリーへと届けられたらと思います。そして楽しみながらクラフトブルワリーを家で飲むことで、その結果としてこの先も多様なクラフトビールを楽しめる世界が続くことを心から願っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?