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私のサバティカル・タイム
3月で30年の会社員人生を閉じて
新しい人生が始まった。
そう、私のサバティカル・タイムだ。
以前、サバティカル制度を持つ
米系の会社員だったこともあったが、
制度の恩恵に預かることなく
その会社から離れ、
サバティカル制度のない会社に30年。
そんなものだ。。。
サバティカル(Sabbatical)とは
使途に制限がない職務を離れた長期休暇のこと。
会社員人生を終えたわけなので、
長期休暇でも何でもないのだが
収入を得るためのライスワークから
完全撤退するつもりはないので
しばらくの間は私のサバティカル・タイム。
この時間に何をしたいのか?
ライスワークを見つける
住む場所を見つける
健康でいるための生活のリズムを確立する
具体的には、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんの
言葉に得心している。
本
旅
人
積読本は、まさに山になっている。
しばらく会えなかった人たちや、
これから出会う人たちとの
会話や時間の共有が楽しみだし、
スケジュールを決めない旅にも出かけたい。
とりあえず、平日の昼間の外出の自由を
楽しむために
大好きな海を見に行ったり、
映画館に足を運んだり、
ギャラリーを訪ねたりしているうちに、
目が張り付いてしまった抹茶碗に出会った。
端正な形、手に馴染む大きさと重さ、
そして信じられないほど精緻な絵付け。
結局そのギャラリーに1週間で3回訪問し
その美を手に入れた。
ギャラリーのオーナーさんともお話ししたが、
その作家さんの作品に惹かれたことを話すと、
よくぞ!と喜んでいただいて、
大いに盛り上がった。
プロが考える「いいもの」に反応した
自分が嬉しかった。
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そして、それを自宅に持ち帰った時、
誓いのような思いがよぎった。
住空間は、美しいと思うもの、
大好きなものだけに居場所を与えて、
一緒に成長していこう!
こうして、自分が時間を過ごす環境を整え、
自分のときめきを丁寧に観察することで
ライスワークの種子も少しずつ
見えてくるだろう。
帰宅後、ふと書棚にある1冊の本に
呼び止められた。
いつ買ったのかは覚えていないが、
発刊からちょうど10年経つ。
料理家としてよりも、食べ物と器の
合わせ方や食器選び、
この人のセンスが好きで当時雑誌も
よく買ったが、
この本だけが手元に残っていた。
そして、次の言葉に目がとまった。
断捨離という言葉が一時期流行りました。あれはいらないものを捨てると同時に、外から入ってくるものをなるべく減らして、ものに執着しないで身軽に快適に生きるーということだったと思うのですが、私はそれとは少し考え方が違う。
靴を一足買ったら、きちんと手入れをして(手入れをすること自体も楽しんで)底が破れるまで履く。破れたら捨てる(捨てても惜しくないぐらい、使いきる)。
衣服でも寝具でも台所道具でも何でも、自分に本当に合うものって、そんなに多くないです。その限られたものを最後までとことん使いきる。自分自身も同じ。自分を使いきって、人生さよならするときは、笑って「はい、さようなら」って言いたいね、そう思っています。
そうそう、私が考えていたのは、これ!
自分に本当に合うものを選択する力、つまり
からだの声、ときめきを
しっかり感じ取る力を磨いて、
あとは最後まで使いきる。
一つの茶碗との出会いから、
こんなことを考えた、いい一日だった。
これとは別に、一粒万倍日とされる4月12日に
ある勉強もスタートした。
進度はすでに遅れ気味だが、気にせず着実に。
UKとのメールや電話で
午後6時以降にエンジンがかかる体質を
朝型に変える試みには
苦戦を強いられているが、
これは、健康でいようとするなら
1番大切だから、しっかり着実に。
ということで、私のサバティカル・タイムが
始まった。
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