人口減少と経済成長
以前にも少子化と経済衰退について書いてみましたが、
人口が減るから経済成長が止まる、
ということが全くの嘘だという話。
選挙で防衛費の増額が論点になってるみたいですね。
あまり政策論争を見て投票行動を決めるってことをしないので、
そうなんだー、くらいで見ていたのですが、
気になったのが、
防衛費増やすなら、少子化に使った方がいい
という意見。
なかなかもっともらしいな、
と思ったのですが、
ポイントはもっともらしいというところ。
なんか少子化対策しましょう!
っていうときっとまともなこと言ってる感出ますよね。
誰も子供なんて生まれなくていい!
なんて言えないですよね。
ちなみにうちには2人子供がいて、とても楽しいです。
だから少子化をなんとかしないといけない!
という意見にはなかなか反論しにくいですし、
本当に少子化ってなんとかしないといけないのか、
という議論はあまりまともに扱われないですよね。
そんなの当然でしょ? って感じで。
じゃあなんで、少子化ってダメなんでしたっけ?
というところから。
結論、経済が成長しないから。
というのがもっぱらの理由となってます。
でも、
それってほんまなん?
ということってあまり語られないですよね。
では、語ります。
マルサスモデルというものがあります。
人口が増えると、土地が足りなくなる、
各人(=一人当たり)の利用可能な土地が少なくなると、
生活水準が維持できなくなり、人口を減らすようになる。
技術革新などで生産性が上がると、人口増加に繋がり、
でも人口が増えるとまた土地が足りなくなり、
また人口が減る。
このサイクルを繰り返すというもの。
例出しておいて恐縮ですが、
これはモダンな経済学ではあまり相手にされない考え方です。
人口増加と経済成長を両立したモデルが頻出したからです。
では、上記のマルサスモデルの、
『土地』という単語を『資源』と言い換えてみたらどうでしょうか。
経済成長に資源が欠かせないのは、
感覚的に全ての人に受け入れていただけるかと思います。
現在の日本の物価高も、政策的に導かれたインフレではなく、
製造原価の高騰によるかなり歪な形で形成されています。
インフレは所得増とセットになってはじめて有益で、
上記は生産性向上から生み出されます。
つまり現代の(特に日本の)経済活動は基本的に、
石油に代表される資源に左右される構造になっています。
そう思うと骨董品のようなマルサスモデルも、
再評価されてもいい気がしています。
簡単にいうと、
人口が増えると一人当たりに割り当てできる資源の量が相対的に減る、
だからおのずと一人当たりの生産量も上限キャップが発生する。
でも本来はある程度生産資源って、
ある一定の上位層に集まるべきなのです。
なぜなら、コアな生産は上位層で生まれるからです。
全ての人に平等な社会で、高い生産性が生み出されることはありません。
ソ連がそれを証明してくれましたよね。
資源の不均等が資本主義経済の優位性を形成してきたわけです。
なぜ資源の不均等が資本主義の優位性を象徴しているのか、
それは次回説明します。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
よりよい未来のために!