
「人で業務の負担が違うのに腹が立つ」
「あの人が入浴介助できないって言って私はいつも大変な入浴ばかりになった。私は送迎も行くのにあの人は送迎も行かないし楽しててずるい。」
全スタッフ合わせて10人程で回してシフトを組む小規模デイのスタッフ。全員同じ業務を出来て、同じ時間帯で働けると業務も偏らず不公平が出ないのですが、実際は パートさんと正社員、看護士と介護士、送迎出来る人しない人、入浴介助をする人、しない人、、結局便利屋のように重い業務が多いスタッフと軽い業務が多いスタッフが出てきてしまいます。
納得して不満もないなら問題ないですが、それでも疲れが出れば「これはおかしい」という気分になると思います。皆がそんな状態になる前に、、思い出しておきたいこと。
不満の根本の 業務分担の公平化が物理的に無理であれば、①役割への感謝と頑張りを認めて伝えることを忘れていないか、②各自の仕事満足度を向上させる事について考えたい。
そもそも頑張りに感謝していることが伝わっているか?
「他の人がずるい」とは、「私は他の人より軽く扱われている」という事への不満。正社員だから、仕事だからするのが当たり前、とやっていること自体が当たり前で、その人の頑張っていることや施設にとって重要な役割を担っていることをきちんと伝えているかなと。そしてそれがちゃんと伝わっているかなと。
単に「ありがとう」とは言っていても、その人は「自分はここの仕事で貢献しているし認められている」と感じているでしょうか。会社の採用状況で不公平な業務分担になってしまっているなら、その業務をしてくれる人は有難い存在と思います。
「効果的に叱る指導」では「5回褒めて1回叱る」と言われますが、「そんなに褒めないといけないの?無理」「そもそも褒めないと動けないの」と思うのでは。実際叱ることはあっても、褒めることは意識しないとなかなか出来ません。
ちょっとのことで気持ちよく動けるなら試してみるのもありという事で試ししたところ下手に褒めようとかするとわざとらしくなって逆効果で気まずい、、。褒める方法は具体的にいう、とかいろんな手法があるようですが、うちでしてみた自他ともによかったなと思った方法として・・
無理に褒めるのでなくて、頑張っていたり、してもらって助かったことにまず気付くこと。機会があるときにしてくれていることを他の人に話してみたり、、いいところに気づくことができると不思議と自然に皆の態度も変わってきます。
介護の仕事の満足度をあげるには
介護の仕事の「満足」とはどんなことでしょう。今回はこの仕事をしてよかったなと思う仕事の魅力と仕事の達成感を感じる事として考えてみます。
介護の仕事の魅力
「介護の仕事のやりがい(魅力)は何ですか」という質問に「利用者さんにありがとうと言ってもらえる」「利用者さんとのふれあい」「喜んでもらえる」「利用者さんが明るく元気になっていく姿がみえる」「信頼できる仲間と働けること」等から「やりがいは感じない」「給料日までを楽しみに頑張る」といった事まで様々。
この仕事をする魅力が何であれそのスタッフが魅力と思うことが職場にあれば素敵ですね。
ただ介護のやりがいとして気を付けたいなと思う事として、「利用者さんからの感謝、褒め言葉」は凄く嬉しくて元気が出ますが、これだけがやりがいと思ってしまうのは危険かなと。利用者さんの気分で変わってしまうので自分のやる気やモチベーションが人に振り回されてしまうことに。人からの評価は棚ボタのご褒美と思って、自分で出来る仕事のやりがいを作っていけるといいですね。
介護の仕事の達成感
介護の仕事は基本マルチタスク。脳が疲れやすく、自分なりの目標や楽しみがないと達成感が得られにくい職種と思います。
営業であれば数値目標の達成だったり、製作であれば作品の完成だったりと明確にわかり、一つのことに集中して得られる達成感があります。
しかし介護は介護計画があっても一人の力で達成できるものではなく、業務も〇〇をしながら〇〇をする、という複数の事を同時進行で行うことも多いうえに明確な達成がありません。小さな達成の積み重ねで出来たスキルが評価しにくい業種でもあります。
何年も介護をしていても転職の際などに「私はまだまだで~」というスタッフが多いのも、自他ともに経験がスキルとして明確でない事も一因かなと。
会社でスキルアップ制度があって、自分のランクが明確で給料アップが目指せるところもあるようですが、小さな小規模デイで日々の業務の繰り返しで日が過ぎてしまうので日々の業務の中に各自スキルアップを明確にさせていなければただ1日が過ぎていくといった事に。仕事に何を求めるか人の価値観は様々ですが仕事が出来る人は仕事を楽しんでいるなと思います。同じ仕事をするなら楽しんで出来ると幸せですね。
そんなスタッフは毎日小さなお試しをしていて、今日はこれをやってみようと試しているのを見ます。「出来なかったことが出来た」「やってみようと思ったことがうまくいった」という実践で試せる経験の積み重ねが自信となって仕事を楽しめる人になっているのでしょうね。
施設では忙しく時間に追われるように仕事をすることも多いですが、ちょっとした遊びごごろや楽しみを作って働けると忙しい中にも気持ちにゆとりがでるでしょうか。
どうしても業務分担で負担が大きくなってしまう方への感謝と配慮は大切。
出来るところの協力と遊びごごろを大切に皆気持ちよく働けるといいな。