打ち合わせ2
金曜日ーー夜八時。
いつもの喫茶店は珍しく、人で溢れ帰っていた。普段は空席の方が目立つのに、今日に限っては満員だ。
一組が会計を済ましたせいで、店から出てきたおかげで、ようやく席に座れる。
「ホットコーヒー三つ」
店員にホットコーヒーの注文を済ませると、すぐに本題に入った。
三人での今日で二回目になる打ち合わせが始まる。
「調査は、どうだった?」
そう切り出したのは、マモルだ。
マモルはつい先ほどの交番での出来事から話し始めた。
そしてアツシは頭を下げる。
「悪い、俺ーー警察に行ってたせいで、何の進展もない」
「まぁそういう事もあるよ」
コウジが言う。その後すぐ、不死鳥のことーーそして、実験と言う殺人を繰り返していること、そのターゲットはクジで決めていることーーそれらを報告した。
「心理学ーーと言いながら、ただの殺人グループってことか?」
「あぁ」
「ほんとにそんな事で、相手を殺せるのかなぁ?」
「まゆつばもんだな...」
三人して深いため息をつく。
いまいち信じられない話ばかりが、ぐるぐるとめぐってくるからだ。
マモルも近況を報告した。
「リーダー格の人がカラスと呼ばれていること、そして、組織員一人一人に、鳥の呼び名が用意されており、その名前の一つ一つが、トリガーフレーズになっているという話も聞いた」
そんな説明をすると、アツシが口を挟んだ。
「ーーそれって、例えばAの呼び名を呼ぶとBは自殺する、ってそーゆー事なのか?ーートリガーフレーズってそーいう事だろう?」
「まぁなーーそうなるな」
うーむ。
あり得ない。
ーーそんな事出来るわけないよな!?
心理学に対する勉強をしなければいけない。
そんな気がした。