ファミレスにて
そしてまた三人は情報収集を始める。
街はあいにくの雨模様だ。
この雨の中、外に出るのは憂鬱でもあったが、今もまだ記憶に新しいあの自殺の瞬間は脳内でリピートされている。
ーー早く真相を調べないと。
その思いがコウジを、ファミレスへと向かわせた。いろんな人の話し声が聞こえてくるあの場所(ファミレス)なら、もしかしたら、不死鳥の事を話している人もいるかも知れない。
「ホットコーヒー、一つ」
店員にコーヒーの注文をすると若い声が聞こえてくる。
「ねぇねぇ、聞いた?ーー不死鳥のこと」
「聞いた聞いた。あのグループにいる人は可愛そうにねぇーー殺されちゃうし」
「私の友達の宏美って子ーー殺されちゃったんだよ!周りから見ると自殺に見えるようにして」
ーー誰だ?誰が話してるんだ?
俺はさりげなくあたりを見渡す。
「噂によると、宏美のトリガーフレーズは、スズメだったらしいよ?」
「私の友達、スズメって呼ばれてたよ!死んじゃったけどーー彼女の名前は沢口望って言うんだけど、、」
「ーーちょっと君たち、今の話。詳しく聞かせてくれないかな?」
俺は突然、話の間に割り込んだ。
三人は顔を見合わせて、こちらを見ると言った。
「いいけど、おじさんーー何者?」
「あ、ゴメンゴメン!僕、ジャーナリストの秋山コウジって言うんだ。さっき話に出た沢口望さんの自殺の瞬間を目撃しちゃって、彼女の事を調べてるんだ」