マモルvs警察官
敦からの連絡を受けて、マモルは山梨県の駅チカにある交番に向かっていた。
そこにいたのは、体型のいい婦人警察と、若いヒョロリとした男性の警察官。
「すいません。柏崎敦の兄弟でフリージャーナリストをやっています柏崎まもるですがーー敦もジャーナリストなので、不審者ではありません」
そう言い切って、マモルは警察官を見た。
「だがね、彼は若い高校生にばかり話を聞いていたんだよ?ーー不審者だと思われても仕方ないだろう!」
警察官が少しいらだった様子で、こちらを睨んだ。
「それじゃ、あなた方(警察官)に聞きますがねーー」
護は静かな声で言った。
「9月9日11時ーー静岡、神奈川、山梨の駅のホームから三人の女子高生が飛び降りたのは、ご存じですね?」
「ーーなんだそれ?」
若い警察官が言う。
「知らされてなかったんですか?ーー我々はあなた方、警察官が「自殺」だと決めてかかっているその自殺について、調べています!女子高生の死の真相を探るのに、女子高生や男子学生に話を聞かないで、どーやって真実にたどり着くんです?」
警察官に負けずとマモルも睨み付けた。
「しかしねぇ...」
「その高校生の自殺の瞬間を目撃した人がいましてね、どうしてもおかしな様子はなかったと言ってるんですよ!ーーそれとも何ですか?あなた方が真相を調べてくれるんですか?」
ーーいや、それは...。
警察官が口ごもる。
「しょうがない。今回だけですよ!」
若い警察官は今回だけと言いながら、敦を解放してくれた。もしかしたら、マモルの話を信じてくれたのかも知れなかった。
「ありがとうございます。あ、そうそうーーあなた方、警察は「不死鳥」をご存じですか?」
マモルは聞いた。
「不死鳥ーーなんか聞いた事があるな。催眠術がどーのって怪しい宗教みたいなところだろ?」
「活動場所はわかってるんですか?ーー教えてください」
まもるは頭を下げた。
「ーーもしかしてその女子高生たちの自殺に不死鳥が関わっているのか?」
警察官が言う。