【毎週ショートショートnote】右フックが炸裂したら
とある街のボクシングジムにヒョロヒョロした青年がやってきた。青年の名は竹輪という。
「俺を強い男にして下さい!俺をバカにする奴らを見返したいんです!」
竹輪はジムの会長に頼み込んだ。
「名選手名監督にあらず」という言葉があるが、会長は現役時代にさほどの成績が残せなかった。しかし、ジムを立ち上げてからの会長は、いく人もの名選手を指導した事で優れた指導者だという事で名を馳せた。
会長は竹輪を上から下までじっくりと見た。そして、じっくり竹輪の目を見据えて
「明日から練習に来い」
と一言言った。
翌日から会長と竹輪の猛練習が始まった。はじめはなかなか練習についていけなかった竹輪だが、体力が付くとともに次第に軽々と練習をこなす様になった。
やがて竹輪はプロデビューをした。その時から竹輪は負け知らずで勝ち続け、いつしかタイトル戦を闘う事が決まった。
「竹輪、明日は思い切ってやって来い!お前をバカにした奴らもTV見てるぞ。勝って見返してやれ」
会長は竹輪の肩をポンポンと叩いた。
タイトル戦はTV中継も入り、満員の観客だ。相手は5回防衛している強者だ。竹輪は相手を睨みつけ、気合を入れた。
ゴングが鳴り、試合が始まった……
翌朝のスポーツ新聞の1面には
「鋭利なチクワの右フック炸裂!!新王者誕生」
の文字が大きく躍っていた。
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今週のお題は「鋭利なチクワ」です。
毎週ショートショートnoteは久々の参加なんですが、今回のお題もまた難しいですねw
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