【毎週ショートショートnote】白猫のゆきと猫目石
疲れ切った私がやっとの思いで玄関を開けると、そこには白猫がいた。くるくるとした瞳のその猫はまさか……
「ゆき!?なんでここにいるの?」
ゆきは実家で飼っている猫だ。それなのに、いったい何故ここにいるのだろう。
「みか、疲れてそうね。いい所に連れて行ってあげる」
ゆきはそう言うと、抱っこをせがみ私の眉間を肉球でちょんと押した。
目が覚めると私は実家にいた。しかも猫になっているではないか。どうも私はゆきと一緒に飼われている猫になったようだ。
私は見よう見まねで猫の生活をやってみた。うちの家族は猫好きなので、私の事も猫可愛がりした。母の膝に抱かれて体を撫でられるのはとても心地よかった。
そして、たまにはゆきに連れられて散歩や猫の集会にも行った。みんな新参者の私にとても親切にしてくれた。
飼い猫の生活は思ったより楽しく、仕事も恋愛も上手くいかない私はこのまま猫でいてもいいかなと思い始めていた。夜には秋の虫が鳴き始め、季節は夏から秋に移ろうとしていた。
そんな時、ゆきが私に言った。
「そろそろ元の世界に帰ろうか。みかにこれをあげる」
ゆきは私にペンダントを手渡した。
「これは?」
「これは猫目石よ。魔除けのお守りで、幸運を引き寄せるの。これがあれば、私がいなくても大丈夫だからね。これからもがんばるのよ」
ゆきは、最初の時みたいに肉球で私の眉間をちょんと押した。
目が覚めると、部屋のベッドの上だった。もちろんゆきはいないし、日付はあの日の翌日だった。まさか私は夢を見ていたのだろうか。けれど、手にはゆきがくれた猫目石のペンダントが握られている。
その時、母から電話が入った。
「朝起きたら、ゆきが死んでいたの。もう歳を取っていたし、今年は暑かったから体に応えたみたいね。なんだか顔が微笑んでいるみたいだったわ」
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今週のお題は「ひと夏の人間離れ」です。
なかなか短くできずに750文字ほどになりました💦
ゆきがみかに贈ったペンダント、猫だから猫目石ってどうかなあと石の効能を調べてみました。
すると、とてもいい石でした。
第3の目を開く効果もあるんですって!
文中で眉間を肉球タッチしていますが、たまたま書いていたんです。
リンクしていて驚きました😊
うちの猫さん達、歴代の子も含めてどの子も眉間を撫でてあげると凄く喜んでいたんです🐱
だから、そんな風に書いていました。
猫目石、効能を信じて買ってみようかなぁ💍
と思ってネットを見てたら、凄く高価な石でビックリしちゃった。
昔、母にスタールビーの指輪を譲ってもらっていたんです。でも、サイズが合わなくて石だけの状態で持っています。(リングの部分は売ってしまった💦)
スタールビーもいい意味の石みたいなので、これを何かにリフォームしようかな。
猫目石と似ているし母にもらったものだから、そっちがいいかもしれませんね。
今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪