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1【デンマーク美術館めぐり】見どころ満載!大人も子供も楽しめる。現代アートとデザインの美術館「Trapholt」〜前編〜
デンマークの美術館といえば、“世界一美しい美術館”と呼ばれるルイジアナ近代美術館や、国内最大規模のコペンハーゲン国立美術館、虹色の回廊が印象的なアロス オーフス美術館などが有名ですよね。
デンマークにはその他にも、全国各地に魅力的な美術館が数多く存在します。今回はユトランド半島の真ん中あたり、デンマークのデザインの中心地ともいわれるKoldingにある「Trapholt」をご紹介します。
ここ、めちゃくちゃオススメです。私が持ってるガイドブックには載っておらず、デンマーク人の知り合いに勧められて行ったのですが、本当に来て良かったと館内を巡りながら何度も思いました。
Trapholtは1988年にオープンした、現代アートとデザインをメインとした美術館です。
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Koldingまでコペンハーゲン中央駅から電車で約2時間20分。その後バスで15分ほどの場所に位置します。
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入口。入ってすぐ右側にチケットカウンター兼売店があります。入場料は大人110kr(約1870円)。18歳以下は無料です。
なんと夏休み期間中(6/27-8/9)は入場料が半額(大人55kr)でした!!
まずは入って左手すぐの展示室へ。
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ここでは「Stitches Beyond Borders」という企画展が行われていました。Iben Højというテキスタイルアーティストによる、南ユラン統一100周年を記念した展示だそう。精神的または身体的な境界についてのアイデアを、一般の参加者達が赤い糸の刺繍で表現した作品が天井から吊るされています。
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円形の展示室を取り囲む、回廊型のスロープの壁には埋め込みの展示スペース。Iben Højの過去の作品が展示されてました。
見上げると、素敵なデザインの天窓が!
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奥の展示室に進むと、常設展示「YOUR exhibition」。
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ここでは名前の通り、絵画、彫刻、陶器や家具など多数のアート作品の中から自分の好きな作品を選び、レイアウトを考えてバーチャルで自分だけの展示室が作れます。
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参加者は丸型のトークンとメモを手に取って展示室の中へ。各アート作品には3桁の数字がふられてます。
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気に入った作品はメモをとるか、展示室の各所に設けられているモニタースペースで自分のトークンに随時登録していきます。
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お気に入りの作品が12個見つかったら、レイアウトルームへ!大型モニターで確認しながら、自分の選んだ作品達をレイアウトしていきます。
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最後に、展示名やコンセプトを入力したら完成!作った展示はSNSに投稿出来ます。
出口には参加者が考えた展示室が実際に展示されてました。
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展示の途中には、光による彫刻の見せ方や背景色による絵画の見え方の違いを体験できるコーナーも。
“展示室”に焦点を当て、ただ見るだけでなく自分で考えながらアートを楽しめる。選んだ作品を見て自分の好みがわかったり、新たなジャンルに興味を持ったり、、、
見せ方の工夫が素晴らしい!
大人ひとりでしっかり楽しみました。
さて、次の展示へ。企画展「Anette Harboe Flensburg – In Company with No-One」
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デンマーク人のアーティストAnette Harboe Flensburgによる、“人のいない建築”シーンを描いた作品が展示されていました。
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光の差し込みと絵から伝わる空間の静けさが印象的です。
さらに奥の展示室へ。常設展「THE RICHARD MORTENSEN ROOM」
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1988年のオープン当初からある展示。
Richard Mortensenはtrapholtの計画段階から関わっていたアーティスト。建築と絵画の融合する空間として、彼の作品のためにこの展示室が作られました。
多角形な空間の白い壁には9つの作品が展示されています。
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個人的には格子状の天井と照明がツボでした。
ここにも天窓。デンマークの建築は、自然光の取り入れ方が素敵です。
廊下部分では企画展「LIGHT HOPE」が。
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コロナウイルスによるロックダウン期間中に、デンマーク各地から987人の参加者を募り制作された作品。たくさんのかぎ針編みの電球が吊るされています。その数なんと1629個!
こういったプロのアーティストと一般の人々を結びつけて作品を作るのは、Trapholtの伝統だそうです。
ここでやっと展示の半分。どの展示も興味深くて、じっくり見入ってしまいました。
長くなるので、後編に続きます!