老人保健施設の看護師の役割とは?仕事内容や特徴を紹介します!
看護師が勤務する場所の大半は、病院です。
施設に勤務する看護師の割合は、少ないです。
老人保健施設の看護師は、病棟勤務の看護師の役割とは、異なるところがあります。
老人保健施設の看護師の役割から仕事内容、特徴などを実体験も含めてお話します。
<参考資料> 厚生労働省:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概要 P3 就業場所別にみた就業保健師等
老人保健施設とは?
入居者の対象は、介護保険の要介護度が1~5の方です。要支援の方の入居は出来ません。
生活の場であるため、入居者の病状は安定しています。
在宅支援を目指しているので、長期の入居は出来ず、入居者の自立を促す施設です。
<参考資料> 厚生労働省:介護老人保健施設について
老人保健施設の看護師の仕事内容とは?
仕事内容は①健康管理と異常の早期発見②医療行為や処置③病院受診の付き添いの3点です。
それぞれ、詳しく説明していきます。
①健康管理と異常の早期発見
看護師は、入居者の健康管理と異常の早期発見が求められます。
入居者のバイタルサインの測定値から、食事・水分摂取量、排泄状況、言動や様子などから総合的な状況の把握をし、判断をしています。
施設には常勤の医師が1名在住。医師へ、様子の変化のある入居者の報告をし、指示を仰ぎます。
入居者の変化を早期に察知するため、看護師間だけでなく、介護士などの他のスタッフからの情報も必要です。
②医療行為や処置
老人保健施設では、主に次のような医療行為や処置を行います。
老人保健施設は生活の場所であり、治療の場所ではないため、必要最低限の医療行為を行います。
③体調不良時の対応
入居者の体調不良時は医師へ報告をし、点滴や内服の追加処方、採血などを指示のもとに実施します。
状態の改善がみられない時は、病院へ受診することもあります。
看護師は家族へ状態を連絡し、病院受診の付き添いをします。
老人保健施設の看護師の役割
看護師の役割は①多職種との連携②入居者の家族への対応です。
それぞれ、説明していきます。
①多職種との連携
老人保健施設では、次のようなスタッフが勤務をしています。
看護師は、他職種との連携をする中心的な存在です。
多職種との情報の共有や、考え方・意見を尊重しながら、入居者へのケアを提供することが求められます。
②入居者の家族との対応
新規の入居者の家族に対し、看取りの場所を必ず確認しています。
医師から家族へ説明がある場合、看護師は必ず同席。
そして、他のスタッフへ情報の伝達と、記録に記載をします。
入居者の状態の変化があった場合は、家族へ連絡をし、説明をします。
(例:点滴の実施、尿道カテーテルの挿入など)
老人保健施設勤務と病棟勤務の相違点
次のような相違点が挙げられます。
長期に点滴が必要な場合は、入院を促します。
施設にある限定された褥瘡ケア用品と軟膏を使い分けしながら、褥瘡ケアを実施。
幅広い知識が必要なため、看護師間の意見交換から入居者のケアを活かすことも求められます。
まとめ
老人保健施設は、生活の場であり、治療の場ではありません。
看護師の主な役割は、入居者の健康管理や異常の早期発見、そして他職種との連携です。
老人保健施設の看護師は、老年看護に興味があり、他職種との考え方を尊重できる方におすすめします。