【オススメ日本ワイン】         初リリース、「八重原メルロー2018」

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今年、長野県のヴィラデストワイナリーから、新しいワインが3月15日にリリースされた。その名も「八重原メルロー」。

ワイナリーの増加している長野県の中でもっとも活発な動きをしている千曲川流域。県ではこの一帯を千曲川ワインバレーと称して、産地化の動きを推進している。特に上田市、東御市、小諸市など8市町村をカバーするエリアである千曲川ワインバレー東地区は、ワイナリーのみならず、ブドウ園が続々と誕生。まさにワイン産地が生まれようとしているのを感じる。ワイナリーに加えて、ワイン用ブドウ園を営む生産者を含めるとその数は60を超える。

東御市に関しては、ワイナリーもブドウ園も右岸に集中していたが、このワインは、左岸のブドウ園のブドウを原料としている。「八重原」という標高700メートルの高台に拓かれたブドウ園のメルロを使用。今までのヴィラデストワイナリーのメルロとは異なるスタイルに仕上がっている。

実は数年前、ブルゴーニュの地質学者、フランソワーズ・ヴァニエと長野県内の13箇所の圃場の土壌調査をしたのが、八重原のこの畑も、ヴィラデストワイナリーがある右岸の畑も掘って調べている。いずれも粘土質ではあるものの、八重原の畑の土壌にはミミズなど多くの小さな生き物が土壌中で活発に活動している様子が見られている。

ワインを飲んで、気づくのは今までのヴィラデストのメルロをさらに上回る凝縮感。クローヴなどのスパイス風味を纏いながら、カシスのような黒系の果実味 もしっかりと出ており、味わいに奥行きがある。。八重原の圃場は和の圃場よりは150メートルも低く、やや温暖であることもブドウの風味に影響しているのだろう。
八重原という地区のポテンシャルを十分に感じさせてくれる味わいだ。右岸の和とは異なる風土をぜひ、感じてみてほしい

ほぼ同時期に発売された「ピノ・グリ2018」も前年よりもパワーアップ。あんずや黄桃のような香りと、爽やかな酸味が特徴的。畑の標高は920メートル。ヴィラデストワイナリーの自社農園の中ではもっとも標高の高い所に位置している。
ちなみに余談だが、長野県でも東御市のみならず、小諸市の糠地など標高900メートル台の立地のブドウ園が少しずつ増えている。

【八重原メルロー2018 ワインデータ】
生産量 584本(750ml)
価格 3300円(税別)
アルコール度数 12.1%
リリース予定 令和2年3月
ブドウ栽培地 東御市八重原地区自社畑
収穫時期 9月中旬
ブドウ品種 メルロ 100%
新樽率 0%

【ピノ・グリ2018 ワインデータ】
生産量 1102本(750ml)
価格 3300円(税別)
アルコール度数 11.9%
リリース予定 令和1年9月
ブドウ栽培地 東御市田沢地区自社畑
収穫時期 9月中旬
ブドウ品種 ピノグリ 100%


【醸造家小西超さんからのメッセージ】

八重原地区は非常に細かい粘土質土壌で、味の濃いお米や野菜がとれることで有名です。ヴィラデストワイナリーとは千曲川を挟んで対岸に位置しますが、千曲川をはさんで土壌は大きく異なります。10年位前からここでブドウをつくれば、凝縮感のあるワインがきっとできると考えはじめ、2015年から栽培を開始しました。

ヴィラデストのメルロはどちらかというと赤系果実のニュアンスを感じますが、八重原はより黒系果
実を感じます。まだ、樹が若いので、味わいの深みという点ではこれからですが、将来に向けて非常に期待が持てる畑だと考えています。

今更、メルロ、シャルドネという感もありますが、やはり長野ワインを裾野を支えるのは、これからもメルロ、シャルドネだと考えます。栽培しやすく、品質的にも安定しています。ヴィラデストでは、目の行き届くワイナリー周辺で新しい品種にチャレンジし、少し離れた八重原ではメルロ、御堂はシャルドネをメインに取り組みま
す。

●八重原メルロー2018 3630円(税込)

●ピノ・グリ2018 3630円(税込)

*いずれも1本3630円(税込)、2本で7260円
現在、ヴィラデストワイナリーでは5000円以上お買い上げの場合には送料が無料とのこと。



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