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日本ワインの新しい可能性がわかる3本


日本のワイナリー、日本のワイン造りを応援したい。
そう思っても、日本ワインを日常的に飲んている日本ワインファンは別として、まだあまり日本ワインに馴染みのない人たちはどんワインを飲めばいいかわからない、どこで買っていいのかわからない。そういう人は多いかもしれません。

そういう人たちのために、東京代々木上原のQUINDIの塩原弘太さんに「日本ワイン応援セット」を販売してもらうことにしました。

せっかくセットを作るのならと、第一弾はこれからの日本ワインの新しい流れ、そして新たな可能性が感じられるものを味わってもらいたいと考え、3本を選んでみました。

1本目は「ペティアン・キャンベル2019」(カーブドッチワイナリー/新潟県)

キャンベル・アーリーというブドウで造られた微発泡酒です。新潟県新潟市のワイナリー、カーブドッチワイナリー掛川史人さんが造ったワインです。
アセロラを思わせる香りが立ち上り、味わいはとてもフルーティーで軽快。フレッシュさと旨味の両方を持ち合わせた味わいが魅力です。しっかりと冷やして、食前の一杯にしてもいいですね。微発泡酒は、泡だちが穏やかで優しいのが特徴なので、強めの炭酸が苦手な女性の方にもオススメです。
2006年ごろまでは、日本でスパークリングワインを手がけるワイナリーは少数派でした。ところが、この年にタケダワイナリーがデラウェアで造った微発泡酒を発売したところ大人気。以来、日本全国で発泡酒を手がける生産者が増えるようになりました。

品種はキャンベル・アーリー。鹿取的には発泡酒や微発泡酒に向いていると思っています。またブドウの品種は、冷涼な産地を好むもの、温暖な産地を好むものと、品種によって適した気候が異なることが多いですが、この品種は適応力がとても強く、北海道から九州まで広く栽培されており、赤用品種の中では、4番目の醸造量です(国税庁「国内製造ワインの概況平成30年度調査部」)。

2本目は「プティ・マンサン2018」(ココ・ファーム・ワイナリー/栃木県)

プティ・マンサンという品種を知っている方はかなりのワイン通。今までこのブドウの品種名をワインの名前にしたワインは世界中探してもほとんどないはずです。ワインはココ・ファーム・ワイナリーで造られました。
今まではほとんど無名のプティ・マンサンですが、私はこの品種は日本ワインの救世主になりえる思っています。皆さんも一口飲めば、きっと納得するはず。黄桃や花のような風味。とろりとした質感と適度な酸に支えられたたっぷりとした果実味はまるで果物を食べているような印象です。そして、後半から後口に残る蜂蜜のニュアンス。「あぁ、美味しい」という言葉が口をついてでる、なんとも幸せな気持ちにしてくれるワインです。
このワインの醸造を担当したワイナリーの柴田豊一郎さんも、今までで最もまとまりのある味わいだと太鼓判を押しています。

実はこのブドウ、昨年の6月。ボルドー地方の生産者によって、今後、ボルドーワインの味わいにバランスを持たせるために、補助品種として使って良いと認められました。日本でのさいこのココ・ファーム・ワイナリーが、日本に適した品種を探し求め、わざわざ苗を輸入したのが日本での栽培の始まりです。今もワイナリーの前に急斜面では、プティ・マンサンが棚を使って育てられているのを

3本目は「八重原メルロー2018」(ヴィラデストワイナリー/長野県)

最近世界では、かつての人気に陰りが見えてきたメルロですが、世界的に影響力を持つジャーナリスト、ジェイミー・グッドはこう言っています。
「僕は実はメルロは大嫌いなんだが、長野のメルロは別。コッテリしすぎず、繊細で香り豊かだからね」と。そんな長野にあるヴィラデストワイナリーのメルロをご紹介したいと思います。このワインは今年の3月15日に初めて発売されました。造り手はこのワイナリーの小西超さんです。
ワインを飲んで気づくのは、今までのヴィラデストのメルロを上回る凝縮感。クローヴなどのスパイス風味を纏いながら、カシスのような果実味(今までのメルロはどちらかというとラズベリーなどの赤い果実味でした)が感じられます。八重原は、千曲川を挟んでヴィラデストワイナリーのある和地区とは反対側の左岸にある台地です。八重原という地区のポテンシャルを十分に感じさせてくれる味わいです。

右岸の和地区一帯、左岸の八重原一帯は、いずれも粘土質土壌ではあるですが、土壌マップを見てもかなり異なります。長野には、まだまだ可能性を感じさせてくれる土地が残っているのですね。

「長野ワインを裾野を支えるのは、これからもメルロ、シャルドネだと考えます。栽培しやすく、品質的にも安定しています。ヴィラデストでは、目の行き届くワイナリー周辺で新しい品種にチャレンジし、少し離れた八重原ではメルロ、御堂はシャルドネをメインに取り組みます」とこのワインを造った小西超さんは語っています。

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