イラストレーターがAdobe Fireflyでイラストを作ってみた
こんにちは。LINEヤフーコミュニケーションズ クリエイティブ部OPSチームに所属している、下川です。
昨年まではイラストレーターとして、イラストチームに所属していました。
▼イラストチームで書かせてもらった記事
みなさんは、生成AIを活用していますか?クリエイティブ部でも生成AIの活用が推奨されています。
が、イラストレーターの私は、画像生成系のAIはあまり使ったことがありませんでした。
というのも、「欲しいイラスト、描いたほうが確実じゃない?」とついつい思ってしまい…
今回、画像生成AI「Adobe Firefly」を使ってみることにしたので、その過程とイラストレーターが使ってみた感想をシェアしたいと思います。
ちなみに、事前の予想では
「ある程度のイラストは生成できるが、加筆やポーズの修正が必要」
だと考えていました。
ChatGPTを使ってアイディア出し
ちょうど部内でリーダー陣のラジオ配信企画が持ち上がり、そのイメージイラストを作ることになりました。
「出演するリーダー陣をイメージした動物たちがラジオ収録している感じのイラスト」
これをAIを活用して作っていきます。
まずは、各リーダーのイメージワードを書き出していきます。
「遊び心・イラストレーター・筋肉…」※個人の感想です
これをChatGPTに伝え、想起される動物の案を出してもらいます。
パンダ、良い!1人で考えていたらパンダやカンガルーには行きつかなかった…!
また、利点としてパンダに例えられた方から「誰がパンダやねん!」とツッコまれても、「いやぁこれはChatGPTが出してくれたアイディアなので…」と回避できそうです。私の心の安全性もかなり保たれています。
(無闇にAIのせいにするのはやめましょう)
Chat GPTは突然「蟻」とかも提案してくるのですが、絵にしたときのサイズ比を考慮し「昆虫は除外して」などのやりとりを挟みながら、他の方も進めていきます。
こうして、5人のリーダー陣を
「犬(ボルゾイ)・パンダ・オウム・猫・チーター」
で表現することが決まりました。
Adobe Fireflyで画像生成
とりあえず生成してみた
「テキストから画像生成」の機能を使って画像を生成していきます。
コンテンツタイプは「アート」
参照画像ギャラリーからフラットなものを選択し、カラーとトーンを「落ち着いたカラー」にしてみます。
テキストはストレートに
「犬(ボルゾイ)・パンダ・オウム・猫・チーター/テーブルを囲む」
を入れてみた結果がこちら!
パンダとチーター成分は消えました。そして犬が強い!先頭に入ってるからかな?
英語にしたり、単語の順番や区切りを変えたり、参照画像を変えたりしてみますが…
今度は鳥が多い…!!!右上の子はもしかしたらパンダかもしれません。
何度か試してみましたが、途中で「複数キャラクターの絵は難しいのかな?」と気がつきました。
キャラクター別に生成してみた
どうも上手くいかないので、個別にキャラクターを生成して、組み合わせて1枚絵にすることにしました。
こちらで検証されている物を見ると、個別のキャラクターならかなり具体的な内容での生成が可能そうです。
テーブルに集まっている絵にしたいので、
「ボルゾイ/眼鏡をかけている/テーブルに座って談笑」
の生成結果がこちら。すごく良い感じです!眼鏡可愛い!!
「横顔」の指示を追加すると、角度もつけてくれました。すごっ
この調子で他の動物も生成していきます。
パンダも無事パンダが生成されました。
生成した画像を組み合わせる
全ての動物の画像が揃ったので、photoshopで組み合わせていきます。
キャラクター部分の切り出しは、「被写体を選択」機能を使って簡単にできました。
背景画像も似合うものをAdobe Fireflyで生成します。
ボーダー柄の背景と、吊り下げマイクを別々に生成して組み合わせました。
全て合わせた完成画像がこちらです!
同じやり方で参照画像を「3D」にして、別パターンも簡単に作ることができました!
画像生成してみた感想
初めて自分で画像生成AIを使ってみましたが、非常に面白い経験でした!
感じたメリットや注意したい点を紹介していきます。
メリット
・予想外のアイディアが生まれる
画像を生成していく中で、タッチや色味・構図などのバリエーションを素早く生成してくれるため、自分の引き出しに無い物を簡単に取り入れることができそうです。
・絵が描けなくてもいい
着手する前に、多少ポーズや角度などの加筆修正が必要になるだろうと予想していました。
実際終わってみれば一度もペンタブを使わず、完成まで辿り着くことができました。切り抜きや塗りつぶしの精度が上がっていることも要因だと感じます。
・早い
普段描き慣れないテイストのイラストを描く場合、どうしても時間がかかってしまいます。モチーフについても同じで「ボルゾイの耳ってどうなってるの?」という部分から調べる必要が出てきます。
生成AIであれば、その手間も無く画像を作ることができました。
注意点
・限界はある
複数キャラクターに言及するテキストはなかなか反映されなかったように、Fireflyで生成できる物には限界がありそうです。(できる方法ご存じの方は教えてください!)
頭の中に具体的に完成像がイメージされている場合や、細かいディテールを詰めたい場合は、参考画像やベースとして使用する程度が良さそうです。
構図の再現や複数キャラクターの生成については、開発中の「スケッチから画像作成」機能に期待しています!
さいごに
今回画像を作ってみて、自分で描いちゃいたい!と思うシーンが無かったことには本当に驚きました。
また、画像生成AIを使いこなすには、描画スキルよりも、イラストディレクションのスキルが必要なように感じます。
AIは画像を素早く生成してくれますが、そこに意図は感じられません。
何のために、いつ使う物なのか?どんなモチーフが良いのか?色味やテイストは?等、さまざまな要素の組み合わせでイラストはできています。
それらを考慮し、最適なものを選び出すことでより良い物が作れそうです。
クリエイティブ部のnoteにディレクションの紹介記事もありますので、ぜひご覧ください。
今回探り探りでしたが、また別のテイストでも試してみたいと思います!
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