ゆのみ#4【なみだ ぽろぽろ】
そもそも
終活って何から始めたらいいんですか?
うちはお金もないし、家もないし、無い無い尽くしで、終活なんてしなくても良いんじゃないかと思ってます。
数年前に開催した終活イベントにきたご婦人が、私の相談ブースに来て話しました。
でも、
私に会いに来たということは、何か話したいことがあるからですよね?と問いかけると、家族のことや自分の遠くに住んでいる母親のこと、自分が抱えている病気のことを話してくれました。
無い無い尽くしどころか、不安や悩みがいっぱいですねと私がいうと、あっ、そうですよねと言い2人で笑いました。
人間も長く生きていると、望まなくても責任や思い出がどんどん増えていきます。
「俺が死んだら、生き残った奴が好きなようにすればいいのよ。」と豪語する方がいますが、それは無責任というものです。
人に自分の後始末を任せるというのは、情けない感じもします。
子供が一人っ子だから相続問題は関係ないでしょ!という方もいますが、一人っ子でも借金があれば、恨まれることになります。
それに一人っ子は相談する相手がいないので結構大変なんです。
物事も少し違う視点から見ると、さまざまなことが変わって見えてきます。
でも行き着くところは同じなんですよね。
人との交わりの中で、
自分は何を大切にして、
どう生きていくかという思いに
たどり着くことになります、
ふと、
3年前に出会った彼女を思い出しました。
彼女は古びて黄ばんだ大学ノートを前にして、ぽろぽろと泣いてます。
「父は、自分が死んだあとも、私や母が困らないように葬式のことや生活資金のことや、本当にいろんなことをいっぱいノートに書いてくれてました。
父がこんなに私たちのことを思い、心配してくれているとは思いませんでした」
彼女のお父様は
家族を一番に大切にして
家族の幸せを願って生きてきた証が
黄ばんだ大学ノートに溢れてました。
つい
私も涙ぽろぽろ。
終活って、愛なんだと思います。